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2023.06.26

「伝統に敬意を持ちながら、革新性を求めていく」茶人にして起業家、岩本涼が見据える未来

日本社会を、さらには世界の規範を更新するべく躍進する若者たちは何に鼓舞され、成功への道筋を作りあげたのか――「世界を変える30歳未満」の人物を選出する“Forbes JAPAN 30 UNDER 30”と、伝統を守りながらも常に革新的な挑戦を続けてきたラグジュアリーブランド“FENDI”のコラボレーションである本企画では、「INSPIRE THE YOUTH」をテーマに掲げ、U30の可能性と勇気をもたらすインタビューをお届けする。

24歳で裏千家の宗名(岩本宗涼)を与えられた茶人であり、2018年にはお茶産業のベンチャー「TeaRoom」を創業した起業家でもある岩本涼。今年5月に『Forbes 30 UNDER 30 Asia 2023』の アート(Art & Style, Food & Drink)部門にも選出された岩本は、幼少期に出会って以来、人生の指針であり続けた「茶の湯」の文化を、次の世代へと受け継ぐために奮闘するカルチャープレナーだ。衰退産業と言われる日本茶業界を復活させるべく、岩本が見据える未来とは──。

茶人であり実業家。お茶の文化と産業をつなぐ架け橋に

茶道家であり、21歳の時にTeaRoomを起業した実業家でもある岩本涼。家元の出身ではないながらも、幼少期にテレビで茶人の姿を見て感銘を受けたことをきっかけに9歳で茶道の三千家のうちのひとつ・裏千家に入門。以降、ひたすらお茶の道を追い求めてきた。

「茶室にこもってお茶に向き合い続けた人生でした。起業を決めたきっかけのひとつは、学生時代にアメリカ留学をして、お茶のまだ見ぬ可能性に気づかされたからです。アメリカでは、『抹茶ラテ』が案外身近に受け入れられているんですね。そういう人のなかには、京都に来て茶道の体験をしてみたいと思う人もきっといるはず。ただ、現状は抹茶ラテと茶室をつなぐハシゴがほとんどない。つまり、身近にある産業と根本の文化が結びついていないということです。

お茶は衰退産業とも言われますが、世界中には抹茶ラテのように、お茶の世界とつながる入り口はたくさんあるわけです。そこに可能性を見いだし、お茶の文化に触れる人が増えるような産業を生み出したいと考えたのが起業した理由です」

国外に出てみることで、お茶の需要や茶の湯文化の可能性に改めて気づかされ、起業を後押しされたという岩本。茶の湯の文化やそうした環境自体にアプローチできる人が増えれば、自ずと日本茶の産業も活気づくと確信している。

「お茶の文化に触れれば触れるほど、茶葉や茶器、茶室の空間を生活に取り入れたいと思う人が増えるはず。そうして産業も活気づいていく。カルチャーとビジネスの架け橋になり、双方の価値を高めていくのがTeaRoomの役割だと思っています」

調和の精神で異分野のコラボレーションを生み出す

ジャケット¥423,500、シャツ¥236,500、パンツ¥140,800、シューズ¥132,000、バッグ¥308,000(すべてフェンディ/フェンディ ジャパン☎03-6748-6233)

ジャケット¥423,500、シャツ¥236,500、パンツ¥140,800、シューズ¥132,000、バッグ¥308,000(すべてフェンディ/フェンディ ジャパン☎03-6748-6233)


TeaRoomは「対立のない優しい世界を目指して」という企業理念を掲げている。この「対立をなくす」という精神は、あらゆる分野を越境していくTeaRoomの商品展開にも通底している。

「あらゆる場面で対立をなくしていくのが我々のミッションだと思っています。僕たちの静岡の工場にはお茶をもてなす場所があって、日々、他業種の方がやってきて意見交換をするような場になっています。本来、茶の湯の文化が持つ『調和』の空間から、異分野のコラボレーションが続々と生まれているんです」

ウイスキーの樽で紅茶を熟成させたウイスキー紅茶や、日本茶の生葉を使ったクラフトジンなどもここで生まれた成果のひとつ。こうした分野を越えた交流の実践から、対立のない優しい世界を実現していくのが岩本の目指すところだ。

伝統を重んじながら、いかに革新性を見いだすか



この日、FENDIのファッションに身を包んだ岩本は、「自分の身体の延長線上にあるような温かみがあった」と少し驚いた表情を見せた。

「FENDIのアイテムを実際に身につけてみて、以前から使っていたと錯覚するほどの心地の良さを感じたんです。それは、この服のつくり手たちが、人間の構造についてよく研究し、理解しているからだと思います。最も重心が安定し、軽い着心地で外を歩ける服はどういう構造なのか。そうしたことを突き詰めた、伝統的なものづくりの歴史を感じました。

それと同時に、FENDIには時代のトレンドに切迫した革新性も備わっている。伝統的なブランド性と時代に合わせたカラーを打ち出すマーケティングの思考という両方の性格は、本来、1社のなかに共存させるのはとても難しいことです。それは茶の湯の文化を現代に受け継いでいく私の身の上でも体感していること。今回の衣装は、茶室のような伝統的な空間でも着たくなるような、伝統と革新がうまく調和したものだと感じました」

孫の世代まで「茶の湯」の文化をつないでいきたい


先日、岩本は茶の湯の文化とも縁が深い、大徳寺にて席主の一人として茶席を設けた。“新茶を祝う”をテーマに、水タバコの原理を応用してタバコ葉の代わりに茶葉を使用したノンニコチンの“吸うお茶”を振る舞うなど、偉大な歴史のある場でもチャレンジを止めなかった。

「最新のテクノロジーを使ったり、新しく出てきた道具を茶室に持ち込んだりしてみるのもひとつの手段かもしれません。時代のトレンドに合わせて革新性のあるものを茶の湯文化に導入することは、特に力を入れて今後も取り組んでいきたいと思っています。

そうした実践は、私が家元の出身ではないからこそ積極的にできることだとも思っています。伝統ある文化に対する敬意を持ちながら、お茶の文化や産業を発展させるのが財界に進出した我々の使命です。この革新性が、やがて伝統となって孫の世代まで受け継がれていくように、挑戦し続けたいと思っています」



岩本涼
◎1997年、千葉県生まれ。TeaRoom代表取締役CEO、茶道家。裏千家での茶歴は17年を超え岩本宗涼という茶名も持つ。早稲田大学政治経済学部卒。『Forbes JAPAN 30 UNDER 30 2022』受賞。

>>FENDI「INSPIRE THE YOUTH 世界を変える若者の原動力」特設サイトはこちら



フェンディ ジャパン
☎03-6748-6233

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