
草原では、羊や馬だけでなく、黒い体毛に覆われたヤクの群れをよく見かけた。1本の草分け道を車で抜けようとしても、周辺を占拠するヤクの群れがいて、いつまでたっても進めないことがあり、まるでサファリを体験しているようで面白かった。放牧された動物というのは見飽きないもので、子どもを連れて行くときっと喜ぶと思う。
遊牧民の住むゲルにも案内された。涼しく快適なゲルのなかで、ミルク茶の「スーテーツァイ」や乾燥チーズの「アーロール」、揚げ菓子の「ボールツォグ」を供された。



この揚げ菓子にはバターと生クリームの中間のようなクロテッドクリームの「ウルム」をつけて食べる。なかなか慣れない味だが、草原の空気と一緒に口のなかに放り込むのはオツなものだ。
最後に出されたのが馬乳酒の「アイラグ」。意外にひんやりしている。遊牧民にとっては貴重なビタミン源といわれているが、このときは遊牧民の娘さんがその場で馬の乳を搾り、それを馬の皮で発酵させるところまで実演してもらった。