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健康

2023.06.19 13:00

今年もやっぱり「暑い夏」、医師が教える重度の熱中症の防ぎ方

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米海洋大気局(NOAA)が発表した今夏(6~8月)の予想気温によると、米国内のほとんどの地域で、気温が平年を上回る見通しだ。記録があるなかで「最も暑い夏」に分類されるようになるとみられている。

気温の上昇にともない、懸念が高まるのは人々の健康状態だ。米国で最も暑さが健康に影響を及ぼしている州の1つ、アリゾナ州の州都フェニックスにあるメイヨークリニック・ヘルスシステムのスティーブン・マー医師(救急科)は「体にはホメオスタシス(恒常性維持)の機能があるため、暑さは体にストレスを与えます」と話す。

体温恒常性とは、体が体温を調節して安定させ、体にとって理想的な状態を保とうとすること。暑すぎて体温調節がうまくいかなくなると、体温を下げることができなくなり、重度の熱中症を起こすことになる。熱中症は、意識の混濁(せん妄)や運動失調、発作、多臓器障害などを引き起こし、命を脅かすこともある。

米疾病対策センター(CDC)によると、米国で暑熱障害により救急外来を受診する人は、年間平均6万7512人。そのうち入院する患者は、平均9236人だという。さらに、暑さが原因で死亡する人は、年間およそ700人にのぼる。

マー医師は、たとえ病院に行く必要があるほどの状態にならなくても、気温の上昇は、脱水とナトリウム(塩分)その他の電解質の喪失によって暑熱障害を引き起こす原因になると指摘する。

極端に上昇した気温が問題を起こす原因として挙げられるのは──屋外で過ごす時間が長過ぎた、十分な水分をとらなかった、重度の日焼けを予防する対策をしていなかった、不注意でやけどをした(舗装された道路や自動車に使用されている金属など、屋外にあって非常に高温になるものに触ってしまった)といったことだ。

「ハイリスク」の人には特に注意を

気温の上昇は、その状況に十分に備えていなかったすべての人に、影響を及ぼす。特にリスクが高いのは子どもや乳幼児だが、そのほかにも「妊娠中の人、BMI値が高い人、アスリート、屋外で仕事をする人、高齢者、持病のある人」などは、注意が必要になる。

マー医師は、たとえ短時間でも、保護者がいない状態で子どもを車内に残すことがないよう訴えている。高温の車内に子どもたちが置き去りにされることは「救急医として目にした最も悲劇的なことの1つだ」という。

日焼け止めは「何度も塗る」

熱疲労、熱射病、その他の同様の症状を避けるため、マー医師は「可能な限り、直射日光を避けること(気温が上昇する前の早い時間に活動を計画する)」「日焼け止めをしっかり塗ること」を勧めている。重度の日焼けを防ぐためには「日焼け止めは頻繁に塗り直した方がいい」という。

また、可能な限りエアコンの効いた環境で涼しく過ごすこと、屋外にいるときには「体が熱を放出しやすい軽衣料、通気性のある衣類を着用すること」、そして「めまい、疲労、頭痛、倦怠感、吐き気などの熱中症の兆候に、常に注意を払うこと」が重要だとアドバイスしている。

いずれにしても、何よりも重要なのは「十分な水分をとること」だという。「屋外で長時間の作業する場合などには、電解質をとることも有効です」と話すマー医師は「常に水分を補給することの大切さは、いくら強調してもし過ぎることはありません」と述べている。

forbes.com 原文

編集=木内涼子

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