サイエンス

2023.06.19 10:30

日本でも増加する「別居婚」、事前に確認すべき2つポイント

・どちらかに食事制限があったり、相手に相当な迷惑をかける習慣を持っていたりしないか?
・パーソナルスペースについて相反する考えを持っていないか?
・健康、経済的な事情、その他の責任問題で、共同管理するより個人で管理したほうが良いものはないか?

これらの検討事項のいずれかが、2人の関係性のスパイスになるよりも問題になりそうな場合は、従来の同居や結婚と対照をなすカップルの在りかたとして別居式共同生活を選択しに入れてみてもよいだろう。科学誌『European Journal of Population』に掲載された2017年の研究によれば、パートナーが年上だと別居式共同生活のほうがうまくいく可能性が高い。これは、年長者が(若年者と比べて)パーソナルスペースや金銭面に関して厳格な境界線を引きがちだからだと考えられる。

この研究では、伝統的に「介護者」の役割を担いがちな女性のほうが、別居式共同生活によって得られる自律性を好むことも明らかになった。別居婚は、従来の結婚では家事の切り盛りに全責任を負わざるを得なかった女性の生活を楽にする。一方で、遠距離のほうが妻のサポートをより多く受けられるという男性の意見もあり、LATにも伝統的な性差に基づく役割分担が紛れ込む傾向があるようだ。

パートナーとどのような関係を築くにしても、互いの目標が一致し、ともに新しいライフスタイルに明確な期待を抱いていることを確認しよう。

2. すばらしいパートナーだが、成功の定義が異なっていないか?

結婚の満足度と質は、キャリア目標の達成に大きく影響する。2021年に学術誌『Journal of Vocational Behavior』に掲載された研究では、キャリア目標を共有するパートナーと親密な恋愛関係にある人ほど、キャリアで「成功」を収める可能性が高いことがわかった。

成功の定義が異なるために生じる衝突は、ストレスや鬱憤につながり、関係を難しくする恐れがある。逆に、パートナーからキャリアビジョンを支持され、時間的制約のある困難な目標の達成を積極的に支援してもらえれば、キャリアと家庭生活の両方でより成功しやすくなる。

また、パートナーのキャリアに引っ越しが付きもので、自分のライフスタイルと合わない可能性もある。そのような場合は、別居式共同生活を選ぶことで相手のノマド的な生活を受け入れつつ、協力して互いの時間を確保できるかもしれない。

結論

結婚において何を成功とみるかは、人によって異なることを理解する必要がある。今日、カップルの関係が時間とともにどう発展していくかには、伝統的に男女に帰属するとされてきた性役割、子どもの有無、人それぞれの文化的・社会的背景のすべてが影響する。かつては結婚の決め手となったものが、今では現代社会のニーズに合わせて進化し適応する機会となっているかもしれない。

forbes.com 原文

編集=荻原藤緒

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事