コロナ禍で立ち上がったインドブランド
デリー出身のカルティク・クムラは、パンデミック中にペンシルバニア大学の経済学部を卒業し、インドに帰国した。バーチャルなインターンシップではなく、染め師や刺繍職人に電話をかけ、インドの田舎を走り回り「Karu Research(カル・リサーチ)」を立ち上げた。カル・リサーチのコレクションは、刺繍が施されたキャンプカラーシャツや装飾が施されたダブルニーパンツなど、ボヘミアン・ペイズリーや手染めコットン、マザー・オブ・パールのボタンが特徴だ。
クムラのデザインは、ケンドリック・ラマー(ラッパー)、ルイス・ハミルトン(レーシングドライバー)、ジョー・ジョナス(ミュージシャン)などが着用し、Mr Porter、Selfridges、SSENSEなどのグローバル小売店で販売されている。
カル・リサーチは、2023年のLVMH Prize for Young Fashion Designersのセミファイナリストとしてリストアップもされている。
最も有望なインドのレーベル
同じくデリーで、ドルヴ・クラーナは2018年にストリートウェアレーベル「Almost Gods(オールモスト・ゴッズ)を設立した。このレーベルの大胆なイメージと、ジェンダーニュートラルなオーバーサイズのスウェットやTシャツは、マシン・ガン・ケリーなどのセレブリティから注目を集め、「ヴォーグ・インディア」などのファッション誌でも取り上げられた。GQ Fashion Awards 2022では「最も有望なインドのレーベル」に選ばれている。
Ka Lam Po, cofounder of Ponder.er. SUPPLIED PHOTO
そのほか、ロンドンのセントラル・セント・マーチンズでファッションを学び、2019年にPonder.er(ポンダー.er)を共同設立したカ・ラム・ポーも、Forbes 30 Under 30 アジアに選出された。
香港を拠点とするこのブランドのジェンダーフルイドなデザインは、透け感のあるニット素材や体にフィットするシルエットで伝統的な固定概念に挑戦する。そのデザインには、モヘアセーター、クロシェトップス、だまし絵のようなイメージのジャケットなどがある。
2022年、このブランドはthe Yu Prize x Li-Ning Grand awardを受賞した。報酬には15万ドル(約2100万円)、李寧とのコラボレーション、Sphere Paris Fashion Week Showroomでの2シーズン分のショーケースが含まれていた。