一方、資金不足に悩むカリフォルニア州の鉄道プロジェクトは今でも続いており「ソーラー電力のみで列車を走らせる」というマスクも気に入るであろうコンセプトを掲げている。
カリフォルニア高速鉄道公社は現在、彼らが将来的に所有し運営することになる2億ドルの太陽光発電システムのサプライヤー候補との協議を開始する準備を進めている。このシステムには、巨大なソーラー発電施設や電力の貯蔵施設が含まれ、地元の電力会社が停電になった場合でも全長約275キロのセントラルバレー区間を最高350キロで走る列車に電力を供給し、猛暑に耐えられる堅牢さが求められる。
同局の計画・持続可能性担当ディレクターのマーガレット・セデロスによると、鉄道の初期区間の開通目標は2030年で、電力システムの工事は2026年までに開始予定という。「カリフォルニアは、米国で最も太陽光発電に適した土地で、再生可能エネルギーにとってすばらしい場所だ」と彼女はいう。
米国で最も野心的で高額な建設プロジェクトとされ、最終的にロサンゼルスとサンフランシスコ間をソーラー電力で走る高速鉄道で結ぶこの計画は、当初、環境にやさしい選択肢として構想されたもので、1000億ドル(約14兆円)以上の費用がかかると言われている。
最初の区間の建設は徐々に進んでおり、当局は2021年の超党派インフラ法から28億ドルの追加資金を得て、完成を後押ししている。太陽光発電システムのコストは、セントラルバレー区間の当局の予算にすでに組み込まれているが、サンフランシスコ・ベイエリアとロサンゼルスのセグメントを完成させるための約700億ドルの追加資金の出所はまだ決まっていない。