現在、ほとんどの主要自動車メーカーが、少なくとも2車種以上のEVをすでに市場に投入している。対して、トヨタは、2022年に初のEVである「bZ4X」を発売したばかり。ただし、同車は、ハブボルトが緩んで車輪が外れる恐れがあるため、デビュー直後にリコールされた。
また年内には、トヨタの高級ブランド「レクサス」から初のEV「RZ」が登場することになっている。BMWやメルセデスベンツなどは5車種ずつ出している流れの中で、トヨタとレクサスはそれぞれ1車種だ。
だから、先週トヨタが『トヨタ、クルマの未来を変える新技術を公開──バッテリーEVの革新技術、水素事業の確立を柱に、技術の力で未来を切り拓く──』という題名のプレスリリースを発行した時には、業界で波紋が広がった。遂に、トヨタがEVのリーダーを目指すのか? 具体的にどんな性能をもたらすのか?
まずトヨタは、2026年にレクサスから次世代EVを投入すると公言。しかも、その車両はリアルワールドで航続距離1000kmを走行できる次世代リチウムイオン電池が搭載されるという。1000kmには驚くけど、「全固体電池を使うと単純計算で1200kmを達成する見込み」だと、トヨタのチーフ・テクノロジー・オフィサーの中嶋裕樹氏が語る。さらに、急速充電時間は10分以下(充電率10%→80%)を目標に開発を進めていると。