ビットコインの価格は米東部時間の14日深夜に3%急落し、15日の早朝になっても下落が止まらず、午前9時には前日から約1000ドルの下げとなる2万4800ドル付近に下落した。他の暗号資産もこれに続き、イーサは6%、カルダノは6%、ソラナは5%下落したとMarketWatchは報じている。
今回の下落は、FRBが最新の会合で、過去12カ月間に9回実施した利上げを一時停止する一方、今年後半には最高金利が5.6%に達し、これまでの予想の5.1%を上回るとの見通しを示したことで始まった。
FRBの見通しは、市場にとって全体的にはポジティブなものだが将来的には未知数な部分もあり、2つの大手の取引所が当局の訴訟に直面している暗号資産業界に試練を与えている。バイナンスとコインベースは、米証券取引委員会(SEC)から提訴され、ロビンフッドなどの複数のプラットフォームも、特定のコインの取引を停止した。
バイナンスコインは、SECからの提訴で始まった下落を続け、15日朝にはさらに5%下落した。もう1つの犠牲者であるコインベースの株価も3%下落した。
ビットコインの価格は、3月中旬にも約2万ドルに急落したが、その際も金利の引き上げがきっかけとなり、暗号資産に特化した金融機関であるシルバーゲート銀行の破綻によってさらに悪化していた。シリコンバレー銀行も同時期に破綻し、連邦預金保険公社(FDIC)の管理下に置かれていた。しかし、その後は、米国の銀行システムに対する信頼が揺らぐ中ビットコインや暗号資産の価格は上昇していた。
15兆ドルの資産を持つ世界最大級の資産運用会社のブラックロックは、ビットコインETFの申請を近く行う予定であると、暗号資産関連のニュースサイトCoinDeckが15日に事情に詳しい人物の話を引用して報じた。このファンドが、スポットを対象とするものか、先物を扱うものなのかは不明だが、CoinDeskによると、SECはビットコインのスポットETFの取引申請をすべて却下している。フォーブスはブラックロックにコメントを求めている。
(forbes.com 原文)