健康

2023.06.16 17:00

知りたいという「好奇心」は不安解消に繋がる、研究結果

安井克至
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「知りたいという気持ちも、情報不足を補いたいという気持ちも、ともに好奇心だが働き方は大きく違うようだ」とホワイトクロスは説明している。「何かを知りたいという好奇心は、不確実さを楽しむことにつながっており、肯定的な発見をする可能性に目を向けていた。それに対して、情報不足を補いたいという好奇心は、不確実な状況を好まず、否定的な発見をする可能性に目を向けていた」

2つの好奇心はそれぞれ、前向きな含みと否定的な含みをもつが、どちらかが他方より「優れている」とか「重要度が高い」ということではないと、ホワイトクロスは主張する。

「今回の研究結果では、何かを知りたいという好奇心が、より前向きな思考につながっているのに対し、情報不足を補いたいという好奇心は、より否定的な思考につながっていることが示された。しかし、どちらの種類の好奇心も、状況次第では有利に働く可能性がある」とホワイトクロスは説明する。

「例えば、何かを知りたいという思いは、創造的思考とより強い結びつきがある。他方、情報が不足しているという思いは、問題に長期的に取り組むための忍耐と、より強い結びつきがあることが他の研究で示されている」

不安を覚えやすい人は、好奇心の力をもっと活用するよう努めてほしいと、ホワイトクロスは勧めている。特に活用すべきは、何かを知りたいという好奇心だ。好奇心には、不確実な事柄を前にしたときに、それをつらい体験から楽しい問題へと一変させる力があるという。その力を発揮させるために、次の2つを心がけるといい。

1. わからないという気持ちを受け入れ、それを楽しむ

2. 楽観的で前向きな推測をたてるようにする

「例えば、試験日が近づいていて不安だったら、テスト勉強をするとどんなすばらしい知識が身に着くのかという点をできるだけ考えるようにしよう。または、論文問題はパズルかゲームだと考え、答えを導き出す過程を楽しみ、答えがまだ出ないと気に病まないよう心がけるといい」とホワイトクロスは勧めている。

forbes.com 原文

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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