働き方

2023.06.16 14:00

女性の「オフィス家事」の負担を減らす方法

研究者たちは同じ研究を、1つだけ違う条件で再度行った。今回はグループは男性3人または女性3人で構成されていた。同性のグループでは、性別間の違いは消え、女性がボタンを押すことを進んで引き受ける度合いは男性と同程度だった。混合性別のグループでは、男性は進んで仕事を引き受けることを控え、女性は仕事を終わらせるためには自分が進んで引き受ける必要があると認識していた。「男性がいる場合、女性は全員の状況を改善するために必要なことを行うことが期待されていると、女性自身が認識している」と著者たちは述べている。男性だけのグループでは、男性は自分たちが奮起しなければならないと認識する。

3人組のグループを監督する4人目のマネージャーを配置した場合、マネージャーは女性参加者にボタンを押すボランティアを依頼する傾向が強かった。「私たちの研究が実証したのは、男性も女性も感謝されない仕事にボランティアとして参加することを望んでいないにもかかわらず、女性は男性よりもボランティア活動を行い、ボランティア活動を依頼され、ボランティア活動の依頼を受け入れていることです。この違いは、性差による嗜好の違いではなく、むしろ『女性は男性よりもボランティア活動を行うものだ』という共通認識から生じたものであるようです」と研究者は結論付けている。

オフィス家事から逃れる方法

女性にとって、これらの仕事を避けるのは、単に自発的に引き受けるのを断るか、助けを求められたのを断るだけだというような単純なものではないだろう。研究者らは、女性は役に立つことが期待されているため、女性が援助の要請を断った場合には、男性よりも受ける「ペナルティ」が大きいことを発見した

元フェイスブックのCOOであるシェリル・サンドバーグと組織心理学者のアダム・グラントは、オフィス家事についての記事の中で「男性が助けない場合は『忙しい』とされ、女性が助けない場合は『自己中心的だ』と言われる」と指摘している。幸いなことに、女性がオフィス家事の負担を軽減するために採用できる戦略がある。
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翻訳=酒匂寛

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