審理は22日と23日に行われる予定。FTCは12日の請求で、同委員会がこの買収計画をめぐる反トラスト法(独占禁止法)違反の疑いに関して審判を下す前に、両社が買収を「完了」させようとする可能性があるとし、裁判所に差し止めを求めていた。
マイクロソフトとアクティビジョンが2022年1月に交わした契約では、買収完了期限を7月18日と定めている。期限が延長されなかった場合、来週の審理の結果が出た後に買収を完了させるために使える期間は1カ月に満たなくなる。買収が破談となった場合、マイクロソフトはアクティビジョンに30億ドル(約4200億円)の違約金を支払う必要がある。
欧州連合(EU)の反トラスト規制当局は先月、マイクロソフトが競争関連の懸念への対処に同意したことを受け、買収計画を承認した。EU当局によると、マイクロソフトは、アクティビジョン・ブリザードのゲームを他のクラウドゲームサービスプロバイダーに少なくとも10年間にわたり提供することなどに同意した。
一方の英国では4月、競争・市場庁が、発展途上のクラウドゲーム市場を阻害する恐れがあるとして、買収を認めない判断を下した。マイクロソフトはこの決定に不服を申し立てている。
マイクロソフトによるアクティビジョン・ブリザード買収は、ゲーム業界史上最大の買収案件となる。マイクロソフトのXbox部門を率いるフィル・スペンサーは、この買収計画をめぐるゲーマーの懸念の払しょくに努めており、アクティビジョンの人気シリーズ「Call of Duty」をXbox専用にする計画は当面ないと述べているほか、ライバルであるSony(ソニー)のPlaystationでもアクティビジョンのゲームを提供すると約束。
マイクロソフトは以来、さまざまなクラウドゲームプロバイダーや任天堂にCall of Dutyやその他のタイトルを提供する契約を結んできた。だがそれでも、ソニーは買収計画に反対しており、マイクロソフトがアクティビジョン製ゲームの質を落としたバージョンをつくり、ライバルのプラットフォームで提供する可能性があると主張している。
(forbes.com 原文)