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2023.06.15 09:15

子宮頸がん検診をAIで高速化、24年実用化目指す「CYBO」4億円調達

CYBOの3Dスライドスキャナ

CYBOの3Dスライドスキャナ

AIによる細胞解析を手がけるCYBO(サイボ)は、6月14日、ジャフコとインキュベイトファンドからシリーズAで4億円の資金調達を行ったと発表した。製品の実用化に向けた開発に資金を投じる。
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同社は現在、複数のプロジェクトに取り組んでいる。一つが「子宮頸がん検診支援AIソリューション」だ。子宮頸がん検診は日本国内だけでも毎年1000万人以上が受けており、検査の効率向上が急務となっている。CYBOは、子宮から採取した細胞を高速で3Dデジタル化し、形状や内部構造をAIで解析することによって異常の有無を検知するという技術開発を進めている。

もう一つが「血栓症早期発見ソリューション」だ。血液中の血小板が凝集して生じる微小血栓は、脳梗塞や心筋梗塞などのアテローム血栓症の予兆を早期にとらえるマーカーになると考えられている。しかし、外部から刺激を受けると容易に活性化してしまう特徴があり、血小板の状態を体内で正確に計測するのは困難だ。例えば、活性化の指標となる染色試薬を使おうとすると、その試薬自体が刺激となり、意図しない活性化を引き起こす。

そこでCYBOでは、血液中の微小血栓を高速撮像し、AIで画像解析する独自手法の開発に取り組んでいる。子宮頸がんプロジェクトと同じく3Dスライドスキャナを用い、患者から採血した血液をスキャンして、顕微鏡レベルの微細画像を取得するという仕組みだ。
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すでに子宮頸がん検診支援の製品については試作機が完成しているという。今後は医療機器としての承認申請をし、2024年には医療機関へ提供していくことを目指す。

CYBO代表取締役社長の新田尚氏は次のようにコメントした。

「ユーザーにとって便利な製品に仕上げるため、さまざまな顧客を訪問してフィードバックをいただいています。そのフィードバックを反映して製品の仕様を固め、医療機器としての承認を目指します」

文=露原直人

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