スタートアップ

2023.06.17 11:15

「抹茶を世界へ届けたい」 World Matchaが約5億円調達、業務用領域へ本腰

大柏 真佑実

プレスリリースより

抹茶ブランド「Cuzen Matcha(空禅抹茶)」を手がけるスタートアップ、World Matchaの米国親会社World Matcha Inc.は6月7日、シリーズAラウンドでデジタルガレージグループをリード投資家として、国内外のファンド、エンジェル投資家、事業会社などから約5億円(360万米ドル)の資金を調達したことを発表した。

Cuzen Matcha は、サントリーで茶飲料の開発を担当していた創業者、塚田 英次郎氏が抱く「より美味しいお茶をお客様へ届けたい」という思いから生まれたブランド。ボタンを押すだけで挽きたての抹茶を楽しめる世界初の抹茶マシンと、希少な国産有機抹茶リーフ(碾茶:てんちゃ)からなる。2020年10月に米国カリフォルニアで事業をスタートし、日本には2021年7月にアメリカからの逆輸入ブランドとして登場した。2023年6月現在は、世界16か国へ出荷している。
CUZEN MATCHA スターターキット

CUZEN MATCHA スターターキット


日本ではライフスタイルの変化によって、お茶の飲み方も急須を使った方法からペットボトルへと移行し、必要とされる茶葉にも影響が見られる。国内では、一番茶など高品質の茶葉需要が減少し、茶の栽培面積は年々縮小。全国のお茶農家数も、20年間で1/4以下にまで減っている。しかし、米国の高級緑茶市場が2028年までに261億6000万ドルに達すると予測されるなど、世界では緑茶の需要が増加している。

そこで同社は、誰でも簡単に挽きたての抹茶を楽しめる抹茶マシンを開発し、おいしい抹茶を飲めるようにすることで、世界で高品質の茶葉需要を拡大。日本の茶畑や生産者を守る取り組みを行っている。さらに、100%オーガニックの抹茶にこだわり、これまでのように粉ではなく茶葉で届けることによって、より新鮮で美味しい抹茶を味わえるようにしたほか、飲料(液体)の輸送時よりCO2排出量を削減。ペットボトルのゴミも出さない、サスティナブルな仕組みを実現している。 CUZEN MATCHAが目指す未来

CUZEN MATCHAが目指す未来


World Matchaは今回調達した資金で、進行中の業務用抹茶マシンの開発・製造を加速させ、カフェやレストラン、ホテルなどといった家庭用マシンでは対応しきれていなかった市場の開拓を狙うほか、販売対象国を拡大し、世界規模で抹茶の飲用を促進していく。

プレスリリース

Forbes JAPAN Web編集部

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