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2023.06.15 10:30

アドビが生成AI機能をIllustratorに拡大、デザインを瞬時に変更可能に

Adobe提供

アドビはジェネレーティブAI(生成AI)を使用してIllustratorのグラフィックの色やテーマ、フォントをテキストのプロンプト(命令文)で変更できるようにしたと発表した。同社は、主要なデザイン製品にさまざまな生成AI機能を統合する計画を進めている。

「Generative Recolor」と名付けられたこのツールは、デザインの色やフォントをすばやく変えられるようにするもので、Fireflyを利用するアドビの生成AIツールやモデル群に新たに追加された。同社は、5月下旬にPhotoshopに「生成塗りつぶし(Generative Fill)」と呼ばれる機能を追加し、Fireflyの生成AIを用いて画像にないものを足したり、置き換えられるようにしていた。

テキストプロンプトでの配色、カラーバリエーションをいくつでも生成が可能な「Generative Recolor」

テキストプロンプトでの配色、カラーバリエーションをいくつでも生成が可能な「Generative Recolor」

「当社は、近い将来すべてのコンテンツが何らかのかたちで、生成AIによって編集されるようになると考えている」と、アドビのジェネレーティブAI担当バイスプレジデントのアレクサンドル・コスティンはフォーブスの取材に語った。


Generative Recolorは現在、Illustratorでベータ版が提供されている。コカ・コーラやランドローバーなどのブランドは、Illustratorを使ってベクターグラフィック(画像の品質を落とすことなくサイズを変更できる画像)を作成している。

コスティンによるとデザイナーは「ネオンポップ」や「秋の紅葉」といったプロンプト入力することで季節のマーケティングのバリエーションを作成できるという。

アドビのユーザーは、3月以降にテキスト画像合成AIツールを用いて合計2億枚近い画像を作成したという。同社は最近、コンシューマーからの関心の高まりに応え、生成AI機能を企業にも提供する計画を発表した。

アドビのFireflyは、クリエイティブ・コモンズやウィキメディア、フリッカーコモンズなどのパブリックドメイン画像と、アドビストック(Adobe Stock)の3億枚の画像や動画で学習を行っている。アドビストックは、フランスのストックフォトのマーケットプレイスのFotoliaを8億ドルで買収した結果、生まれたものだ。

多くのアーティストやコントリビューターが、自分の作品が明確な許可なくアドビの生成AIモデルのトレーニングに使用されることを懸念している。しかし、アドビは、Fireflyが商業利用に適していると確信しており、企業顧客が著作権侵害で訴えられた場合、あらゆる法的費用を補償すると述べている。

コスティンによると、アドビでは数百人の研究者が、より詳細で高解像度の画像を生成できるように、Fireflyの品質向上に取り組んでいるという。同社は、動画や3D画像の生成のためのAIモデルの開発も行っているという。「クリエイターはAIに取って代わられるのではない。彼らは、AIを使うクリエイターと競合することになる」とコスティンは語った。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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