経済・社会

2023.06.15 12:30

アマゾンが偽レビューの根絶に向け各国政府に協力を要請

安井克至

Peace-loving / Shutterstock.com

アマゾンは、機械学習を活用した偽レビューの取り締まりを行っているが、各国の政府にさらなる協力を求めている。消費者団体からの批判を受け、同社は2022年中に2億件以上の偽レビューの疑いがあるものをブロックし、検出ツールを強化したと6月13日の声明で述べている。

「当社の対策には、何千ものデータポイントを分析してリスクを検出する機械学習モデルの活用や、高度な不正検出ツールを使って偽レビューを分析する専門調査員らの投入が含まれている」とアマゾンは述べている。

同社は、世界中の90以上の偽レビューブローカーに対して法的措置を取り、金銭や無料商品と引き換えに偽レビューを投稿させようとした1万人以上のFacebookグループの管理者を訴えたという。

しかし、アマゾンは各国の政府に対し、法整備や取締りの面でさらなる支援を求めている。

「具体的な状況は国によって異なるが、一部の国の政府は偽レビューのブローカーに罰則を与えるために、より強力な執行手段を設けるべきだ」と同社は述べている。

英国では、新法の「デジタル市場・競争・消費者法案」により、競争・市場庁(CMA)の法的権限が強化されようとしている。

「この問題に対処するために、業界と政府がデータ共有の取り組みを進めることは、正しい方向と言えるだろう。しかし、アマゾンが示唆するように、執行についてはもっと明確にする必要がある」と消費者団体Which?の政策・アドボカシー担当ディレクターのRocio Conchaは述べている。

アマゾンは、偽レビューのブローカーを調査し、取り締まるための法執行機関へのさらなる資金提供や、規制の強化を求めている。しかしWhich?は、アマゾンの努力がまだ十分ではないと主張し、同社や他のサイトのレビューを取引するフェイスブックの「偽レビュー工場」はまだ簡単に見つけることが可能だと指摘した。

「最近の政府の調査では、Eコマースプラットフォームの人気商品カテゴリのレビューの7件に1件が偽物であることが判明した。私たちの調査では、偽レビューによって消費者が質の悪い製品を選ぶ可能性が2倍以上になることが示されている」とConchaは続けた。

forbes.com 原文

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