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2023.06.15 18:00

水風呂にこだわるのは日本人だけ? 冷泉 x サウナが起こす地域活性

Forbes JAPAN編集部
TTNEは、日本中にある数々のサウナをプロデュースしてきた経験を生かして、「寒の地獄温泉」という名前にある「地獄」になぞらえた「暖の地獄サウナ」を考案。“霊泉”風呂と合わせることで、まさに霊界に通ずるような新しいサウナ体験を創出するプロジェクトを進めている。

彼ら曰く、サウナ体験において水風呂にここまでこだわりを見せる国は、世界的にも日本くらいなのだという。海に囲まれ、河川も多い日本は、水資源がとても豊富であり、日本人にとって水はとても身近なものである。そうした環境が、日本におけるサウナ文化を、海外からも一目置かれるユニークなかたちへと進化させたのではないだろうか。

冷泉は日本中のいわゆる「田舎」に点在していることが多い。それをひとつの「推し」として展開しているお湯どころもあれば、生かしづらく悩んでいる所もある。それまでは、ただ「よい水が湧き出る場所」だった所が、ここ数年のサウナ文化の発展と相まって、大きな価値を発揮できる地域資源に大化けする可能性は十分に高い。そして、サ旅を通じた人が多く訪れ、地域活性に一役買うことになるかもしれない。TTNEがしかける「寒の地獄温泉」のリニューアルプロデュースは、そういった意味でも試金石のようなチャレンジであり、ひとりのサウナーとしても応援したいと思う。


なかやま・りょうたろう◎マクアケ代表取締役社長。サイバーエージェントを経て2013年にマクアケを創業し、アタラシイものや体験の応援購入サービス「Makuake」をリリース。19年12月東証マザーズに上場した。

文 = 中山亮太郎 イラストレーション = 岡村亮太

この記事は 「Forbes JAPAN 2023年7月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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