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2023.06.14 11:30

AIでジョン・レノン復活、「ビートルズの新曲」年内発売へ

Getty images

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ポール・マッカートニーは6月13日、人工知能(AI)の助けを借りたビートルズの新曲が、今年後半にリリースされると発表した。これは、法律の専門家や規制当局がAIがもたらす倫理的・法的問題に取り組み始める中で、クリエイティブ業界が急速に進化するテクノロジーを利用する最新の事例と言える。

BBCの番組「Radio 4 Today」に出演したマッカートニーは、「ビートルズの最後のレコード」がAIの助けを借りて完成し、今年後半に発売される予定だと述べた。

彼は、古いデモテープから故ジョン・レノンの声を取り出すためにAIが使われたと語った。テクノロジーによって、古びたカセットに収録された演奏からレノンのボーカルを分離し、何十年も前の曲を完成させたと述べている。

マッカートニーはこの曲の名前を明かさなかったが、BBCは、1980年にレノンが亡くなる前に作ったデモテープに収録されていた「Now and Then」というタイトルの曲の可能性が高いとしている。この音源は、1978年にレノンのニューヨークの自宅アパートで録音されたもので、90年代にレノンの未亡人であるオノ・ヨーコからマッカートニーに渡され、バンドのアンソロジープロジェクトの候補曲として検討されたが、音質が悪いため断念されたと伝えられている。

音声の復元やアーティストの死後の楽曲のリリースは音楽業界では珍しいことではないが、近年はテクノロジーの進歩がますます強い影響力を及ぼしており、AIが故人の歌や楽曲を生成する場合もある。また、2022年にデジタルアバターを活用したコンサートで40年ぶりに復活した、スウェーデンのポップグループABBAのような事例もある。

しかし、このようなテクノロジーは、作品の権利に関して多くの問題を提起している。入力されたリクエストに基づいてコンテンツを生成するAIの中には、他のアーティストの楽曲を含む可能性のあるデータで訓練されたものがあるが、その貢献が認められたり対価が支払われるケースはほとんど存在しない。

また、AIを用いて知名度が高いアーティストの声を真似た楽曲が制作され、人気を博す場合もあり、レーベルやアーティスト自身からの反発が相次いでいる。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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