メンタルヘルスへの対処の仕方は人それぞれだろう。酒を飲む人もいれば、薬に頼る人もいるだろうし、冷蔵庫の中身に慰めを求める人もいるかもしれない。ただ、ミネソタ州のカソタという町には、ほかにちょっとないようなぶっ飛んだ方法で、コロナ禍中から引きずっている鬱屈を晴らせる施設がある。ここでは、本物の戦車に乗って、車を踏み潰せるのだ。これぞ究極のストレス解消法かもしれない。
その名も「Drive A Tank(戦車を運転しよう)」と名づけられたこのアクティビティーでは、野営地のような場所を舞台に戦場を疑似体験できる。参加者は8台ある巨大な戦車などに乗り込み、行く手にあるものをぺしゃんこにしながら走り回る。
参加者はまず、安全性に関する講習や、用意されているさまざまな軍用車両についての説明を受ける。車両置場を案内されたあと、「野外司令部」に移動。そして、まず自走榴弾砲「FV433(通称アボット)」にインストラクターと乗り込み、樹木に覆われたコースを走る。
次に装甲兵員輸送車「FV432」に搭乗。今度は潜望鏡だけを使った戦闘スタイルで難しいコースを走破していく。
再び車両置場に戻ると、最後にインストラクターと戦車に乗り込み、かつて路上を走っていた車を踏み潰せる。その際の写真も撮ってもらえる。
参加者はこのほか、さまざまな歴史的な火器について学んだり、手に取ったりもでき、さらに、厳重に管理された条件のもとで試射もできる。これもまた、解放感を味わえる体験になるだろう。
Drive A Tankではいくつかのパッケージが提供されていて、最安は「3つ星中将」の374ドル(約5万2200円)。ただ、車を1台潰すには追加で649ドル(約9万600円)、2台なら849ドル(約11万9000円)かかる。
より上位のパッケージでは、複数の軍用機関銃を撃てたり、戦車「M4(通称シャーマン)」シリーズの「M4A3(同イージーエイト)」を含む数種類の戦車に乗れたりする。最も内容の充実した「究極」パッケージは5499ドル(約76万8000円)だ。
車を踏み潰したり、機関銃を撃ちまくったりするだけでは飽き足らないという人向けに、トレーラーハウスをぶち壊すというパッケージもある。参加者はまずバットで窓を叩き割ったりドアを打ち破ったりし、そのあとFV432でトレーラーハウスに突っ込む。
子どもは、11歳以上で身長の条件を満たせば操縦者や搭乗者として参加できるが、保護者の同伴が必要だ。個人向け以外に、法人向けのパッケージも用意されている。
(forbes.com 原文)