美意識を鍛え本質を突く。「市中の山居」の価値観を世界に広げ、次世代リーダーを育てます。
山田長光:高濱さんと出会ったのは、経済人が集い未来を話し合う「G1サミット」がきっかけ。妻の山田理絵がジュニア向けプログラムの代表で、高濱さんに登壇や講師を依頼して以来、交流を深めています。私が11代家元を務める茶道宗偏流不審庵は、360年の歴史があります。茶道のいちばんの魅力は、茶道を愛する「人」そのもの。茶道はこれまで時の宰相や政財界の要人など多くのリーダーたちに愛され、茶室は社交や意思決定の重要な場でした。茶人の思想や哲学を通じて、歴史や文化を知り、ケーススタディを学ぶことで、現代を生きる私たちの美意識や文化的支柱を強くしてくれるでしょう。
世界のリーダーに向けた新たな取り組み「UrbanCabin Institute」にも力を入れています。日常の雑事を忘れ、山居で自分の心と向き合う。茶道の「市中の山居」という考え方を軸にした価値観を世界に伝えるためのプログラムを実施しています。
いまは建築も芸術も暮らしも洋風になり、日本に暮らしていても歴史や文化を知らない人が増えています。歴史観も浅く、近視眼的。子どもたちやその親たちには、いまこそ日本について学んでほしい。茶道が果たせる役割は大きく、高濱さんと一緒にできることもたくさんありそうです。