グライムスが5月に発表したElf.Techは、ユーザーがアップロードした声をAIで彼女のボイスに変換し、グライムス風のボーカルを使用した楽曲を制作できるソフトウェアだ。今回の提携によってTuneCoreは、Elf.Techで生成された楽曲を、アップルのiTunesやスポティファイを含むすべての主要なプラットフォームで配信することになる。
グライムスは、彼女のボイスを使用した楽曲から50%のロイヤリティを受け取るが「楽曲の所有権は主張しない」と述べている。
ニューヨーク・タイムズ(NYT)は先月、グライムスのAIボイスを使用した楽曲が、すでに一部のストリーミングプラットフォームで公開されていると報じていた。
グライムスは今から約2カ月前のツイートで、自分のボイスをAIで生成した楽曲に使用させ、その楽曲のロイヤリティの半分を受け取る計画を発表した。彼女は「すべてのアートをオープンソース化し、著作権を殺す」というアイデアが好きだと付け加えた。
このツイートは、ドレイクとザ・ウィークエンドの声を模して人工知能(AI)で生成された「Heart On My Sleeve」という楽曲をめぐる騒動についての記事を受けて書かれたものだった。この曲はTikTokなどで数百万回再生された後、ユニバーサルミュージックグループからの申し出を受けて削除された。
現状ではパイロットプログラム的位置づけのグライムスの試みが、どのように発展するかは定かではないが、彼女は、この分野で自身が「モルモットになる」ことに興味があると述べている。
(forbes.com 原文)