ヤッカリーノはスレッド形式で行ったツイートで「マスクは宇宙探査や電気自動車が変革を必要としていることを知っていたため、それを実行した」と切り出すと「グローバルなタウンスクエア(町の広場)」にも同様の変革が必要であることが浮き彫りになっていると指摘。
ツイッターを「世界で最も正確なリアルタイム情報源、そしてコミュニケーションにおけるグローバルなタウンスクエア」にしたいと表明するとともに、人々には「自分の考えを表現する自由があるべきだ」と強調。マスクが持つ「表現の自由」へのこだわりに同調する姿勢を示した。
ヤッカリーノは、ツイッターには「党派を超える機会」があるとも主張した。だがマスクはツイッター買収以降、極右勢力に声を与えているとの批判されている他、2022年の中間選挙で共和党候補への投票を呼び掛けたり、ツイッターの運営方法を批判したジャーナリストのアカウントを凍結したりしている。
ヤッカリーノは12日の投稿で、こうした批判には言及しなかった。米紙ニューヨーク・タイムズのテクノロジー担当記者によると、投稿内容の少なくとも一部は、ヤッカリーノが電子メールで送信した初の全社向けメッセージでも使用された。
マスクによる買収後のツイッターが苦戦している広告分野で豊富な経験を持つヤッカリーノは、5月に新CEOとなることが発表され、予想より早い先週に就任した。
マスクは9日、ヤッカリーノ就任後初の大型施策として、一部のクリエイターを対象に、リプライの間に表示される広告に対する報酬の支払いを開始すると発表した。ただし、支払いを受けられるのは認証済みクリエイターのみで、報酬が発生するのは認証済みユーザーに向けて表示される広告に限定される。最初の支払い枠は合計500万ドル(約7億円)になるとされているが、どのような投稿やユーザーが広告収入支払いの対象となるのかは不明だ。
一方、フェイスブックを運営する米メタは、数カ月前からツイッターと競合するアプリ「プロジェクト92」の試験運用を著名人やインフルエンサーの間で実施しており、先週にはそのプレビュー版を従業員に公開した。サービス開始は早くて今年の夏になる可能性が取り沙汰されている。
報道によると、メタのクリス・コックス最高製品責任者(CPO)は従業員に対し、新サービスの目的は「安全性や使いやすさ、信頼性」を優先したプラットフォームを提供し、クリエイターが「オーディエンスを構築・拡大できる安定した場所」をつくることにあると説明しており、マスク買収後のツイッターを暗に批判したものとみられる。
(forbes.com 原文)