北米

2023.06.13 08:00

株式市場は「嵐の前の静けさ」、JPモルガンが警告

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S&P500は6月9日、1年以上ぶりの高値をつけて強気相場に突入したが、株価はこのまま上昇を続けるのか、それとも失速するのか、専門家の見方は分かれている。

S&P500は9日に0.1%上昇して4300ドルに迫り、昨年10月につけた安値からの上昇率が23%となっている。

バンク・オブ・アメリカ(BofA)のサビタ・スブラマニアンは、9日の顧客向けメモで「弱気相場は正式に終わった」と宣言した。彼は、S&P500が底値から20%上昇した直後の12カ月間で、平均19%のリターンを記録していることを指摘し「S&Pは史上最高値の約5100ドルに達することになる」と述べている。

しかし、一部のアナリストは、さらなる上昇を確信できないでいる。例えば、UBSのチーフ・ストラテジストのデビッド・レフコウィッツは、S&P500の今後について警告を発している。彼によると、S&P500に含まれる銘柄のうち、年初来でインデックスをアウトパフォームした銘柄はわずか25%で、これは少なくとも1985年以降で最低の割合だという。

さらに、アルファベットやアマゾン、アップル、メタ、マイクロソフト、エヌビディア、テスラといったテック業界の大手を除外すると、年初からのS&P500のリターンは、2%以下だという。

JPモルガンのグローバル債券部門の責任者のボブ・ミシェールは9日、市場の強気派に冷ややかな警告を発し、現在の株価の上昇は「2008年の3月から6月にかけての時期に恐ろしいほど似ている」とCNBCに語り、今後の数カ月が嵐の前の静けさになると語った。彼は、4つの銀行が破綻したにも関わらず株高となった今年の状況が、2008年の短命な株高に至ったプロセスに似ていると述べている。

S&P500のパフォーマンスは今年、ダウ平均(2%上昇)とラッセル2000(7%上昇)を大きく上回ったが、ハイテク企業の躍進により、ナスダックの年初来のリターンは28%とはるかに優れている。米連邦準備制度理事会(FRB)が金利を20年ぶりの高水準に引き上げ、国内総生産(GDP)や企業収益が停滞しているにもかかわらず、株高は続いている。

LPLファイナンシャルのストラテジストのアダム・ターンクイストは「持続可能なブレイクアウトには、より広範囲な参加が必要だ」と9日に書き「この新たな強気相場への、さらに良いエントリーポイントがあるはずだ」との考えを付け加えた。彼はまた、今回の弱気相場は過去75年間で2番目に長いテクニカル弱気相場になったと指摘している。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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