ドナルド・トランプ前大統領の機密文書を巡る司法省が公開した起訴状には、文書がフロリダ州の別荘マー・ア・ラゴの寝室やダンスホール、さらにはバスルームの便器の横にも保管されていたことを暴いた写真が掲載されていた。初の連邦による大統領経験者の起訴に関する新たな詳細が次々と明るみに出ている。
米司法省によると、トランプは退任後に政府の機密文書を不正に扱った容疑で、連邦法の重罪37件で起訴されている。訴因には、国家防衛機密の意図的な保持を禁じているスパイ法違反31件および虚偽の陳述と司法妨害に関する訴因が含まれている。
起訴状によると、問題の文書には防衛、米国や諸外国の兵器能力および米国核開発プログラムに関する機密情報が含まれていた。トランプは少なくとも2回、適切な機密取扱者調査を受けていない人物に文書を開示し、米国国家安全保障を「脅威にさらした」可能性があると起訴状は述べている。
マー・ア・ラゴのダンスホールのステージでも文書の入った箱が多数発見された(Department of Justice)
保管室には、トランプがホワイトハウスからフロリダの別荘に運んだ疑いのある文書がさらに置かれていた(Department of Justice)
昨年8月にFBIが実施した前例のない強制捜査の結果、数万件の文書がマー・ア・ラゴで見つかった(Department of Justice)トランプは6月8日夜、起訴されたことを自身が所有するSNSであるTruth Socialで発表し、ジャック・スミス特別検察官の捜査を「史上最大の魔女狩り」であると非難し、自分に「隠すものは何もない」と主張した。この前例のない発表は、共和党主要党員らの激しい怒りを買い、ケビン・マッカーシー下院議長(共和党・カリフォルニア州)はこの起訴を「道に外れている」とレッテルを貼り、大統領選のライバルである、クリス・クリスティー前ニュージャージー州知事やエイサ・ハッチンソン前アーカンソー州知事をはじめとする他の主要共和党員らは、前大統領に対してとりわけ批判的な態度を示し、トランプの「意図的な憲法無視」を非難した。
トランプは、1月6日の暴動における彼の役割についても司法省の捜査を受けており、3月にマンハッタン大陪審から、2016年選挙前のアダルト映画女優ストーミー・ダニエルズを含む複数の人物に対する口止め料支払いに端を発した事業記録改ざんの疑いに関する34件の重罪で起訴されている。
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forbes.com 原文)