アップルの製品ロードマップは、これまで上へ上へと進んでいくのが通例だった。例えば、AirPodsが最初に登場し、次にAirPods Proが送り出されるというパターンだ。しかし、ガーマンによると、Vision Proという名前は、Pro以外のバージョンがあることを示唆しており「Apple Vision」もしくは「Apple Vision One」と呼ばれるモデルが将来的に発売されるという。
ガーマンのこれまでの予測の的中率は完璧とは言えず(彼はアップルのヘッドセットの名称を「Reality Pro」と予測していた)、この予測が外れる可能性もあるが、廉価版のVision Proは、空間オーディオに対応するスピーカー付きのヘッドバンドを廃止し、その代わりに、別途購入するAirPodsを用いる仕様にしてコストを削減するという。
また、廉価版は、通常版と比べて「品質が低いディスプレイ」とiPhoneグレードのチップまたは型落ちのMac向けのチップを搭載し、カメラの数を減らすことで低価格を実現すると予想されている。
筆者の見方では、アップルが「低品質のスクリーン」に切り替えるというガーマンの予測は、あまり可能性がないように思える。ディスプレイはVision Proを魅力的にしている大きな要素であり、アップルがここで妥協するとは思えない。また、カメラの数を減らすという予測も理に適わないと考える。
しかし、このようなことがもし実現できるのであれば、より安価なバージョンはどのくらい安くなるのだろう。ガーマンは、アップルがより洗練された生産工程や規模の経済、より安価なフレームとの組み合わせで「数百ドルの値下げ」を実現できそうだと述べている。
ということは、廉価版といえども2000ドル台の後半から3000ドルになることが予想され、すべての人にとって手頃な価格とは言い難いものになりそうだ。
ガーマンは、この廉価版の発売時期が2025年末になると考えており、時間はまだ十分にあることになる。彼はまた「より高速なプロセッサを搭載した2つ目のProが登場する」とも述べており、アップルのヘッドセットがiPhoneと同様な製品ラインナップになることを示唆している。
彼の予想が果たして的中するかどうかは定かではないが、1つだけ確かなのは、アップルがVision Proと、その後に登場するすべての製品に大きな賭けをしているということだ。
(forbes.com 原文)