このアップデートにより、開発者はPaLM 2(大規模言語モデルパーム2)によって駆動される単語補完モデルや、テキストを機械学習モデルに理解させるためのエンベッディングAPI、さらにはモデルガーデン(モデルライブラリ)内の他の基礎モデルなど、新たなツールやモデルを利用できるようになる。また、Generative AI Studio内のツールを活用して、カスタマイズしたモデルのファインチューニング(微調整)とデプロイ(展開)が可能だ。
グーグルは、エンタープライズ級のデータガバナンス、セキュリティ、安全機能もVertex AIプラットフォームには組み込まれていると主張している。これにより、顧客は安心して、基礎モデルを利用し、自社のデータでカスタマイズし、生成型AIアプリケーションを構築することができる。
顧客はモデルライブラリであるモデルガーデンを利用して、グーグルとそのパートナーから提供される基礎モデルにアクセスし、評価を行うことができる。60を超えるモデルが存在し、将来的には新たなモデルの追加も計画されている。また、5月のGoogle I/Oカンファレンスで発表されたコード補完、コード生成、チャットに利用できるCodeyモデルが、公開プレビューで利用可能となった。
Vertex AIは、開発者に対して、製品化に向けたモデルを調整、導入、管理するための充実したツールセットを提供する。たとえばこれは、5月に提供された、人間のフィードバックによる強化学習(RLHF)を提供する初めてのエンタープライズ級ML PaaSだ。このサービスは、人間のフィードバックを活用して、カスタムデータセットで訓練されたファインチューニング済みモデルの精度を向上させる。Generative AI Studioが一般に利用可能になることで、顧客は大規模モデルのための複数のチューニング方法などの、より広範なツールを利用して、カスタム生成型AIアプリケーションの構築を大幅にスピードアップすることができる。