クロスオーバーSUVとしては初のコンパクトサイズモデルだったRAV4は、1996年に北米市場に投入された。驚くべきことに、それから約四半世紀にわたり、RAV4は変化の激しいSUV市場で人気を保ち続けただけでなく、トヨタ車の中でも屈指の売れ行きを誇るモデルとなっている。さらに、米国市場のSUVカテゴリー全体で見ても、いまだにベストセラーの一角を占めているのだ。
RAV4の魅力を保とうとするトヨタの試みは、2023年モデルにおいても大成功と評価できる。これまでと変わらず、RAV4は、このカテゴリーのトップクラスのモデルに求められる要件の大半を余裕を持ってクリアしている。燃費や、シビアな条件でも発揮される操縦性、ゆったりとした室内空間、信頼性、確かな安全性能などだ。
ハイテク装備の追加も、魅力アップに貢献する要素だ。そこでトヨタは、RAV4の2023年モデルで「インフォテイメント」システムを刷新。タッチパネルディスプレイを大型化し、「Apple CarPlay」と「Android Auto」のワイヤレス接続に対応した。
さらに上位グレードでは、メーターパネルを兼ねたマルチインフォーメーションディスプレイが12.3インチのフルデジタル仕様となっている。
最新型のインフォテイメントシステムでは、グラフィックスが改善され、より直感的に使えるメニューと、ワイヤレスでのソフトウェアアップデート機能を導入。そのほか、スマートフォンとのワイヤレス接続や、新たなデジタルメーターパネルなども刷新された。
RAV4のスタイリングは実用重視との印象もあるが、20年以上にわたり多くの米国の消費者がRAV4を選んできたのは、目を奪うような派手なデザインが理由ではない。RAV4はむしろ、実用性において抜きん出た強みを持っている。
これには、まずまず満足できる馬力も含まれる。2.5Lの4気筒エンジン(203馬力、トルクは184重量ポンド・フィート=約250ニュートン・メートル)、8速オートマチックトランスミッション、標準の2WD走行などによって実現されているものだ。(訳注:日本のRAV4ガソリン車は2.0Lのみで、2.5Lガソリンエンジンは北米仕様)
ただし、よりシビアな操作が求められる状況では、パワフルな加速には期待しないほうがいいかもしれない。また、回転数を上げた際にはエンジンのがたつきが気になるところがある。