前回2010年に実施された国勢調査では、65歳以上が占める割合は12.8%だった。しかし、2020年実施時では16.8%と、4ポイント増加している。2010年より前に実施された国勢調査では、65歳以上が総人口に占める割合は比較的安定していた。
一方、25歳未満が総人口に占める割合は、これまでより大きく減少した。2020年は、前回(2010年)から2.8ポイント少ない31.5%だった。それ以前の国勢調査では、25歳未満の占める割合の10年ごとの変化は1ポイント以下に抑えられていた。
1990年から2020年までの25歳未満と65歳以上の総人口に占める割合の変化(かっこ内は前回調査からの増減率)
1990年
25歳未満:36.3%(-5.1%)
65歳以上:12.6%(+1.3%)
2000年
25歳未満:35.3%(-1.0%)
65歳以上:12.4%(-0.2%)
2010年
25歳未満:34.3%(-1.0%)
65歳以上:12.8%(+0.4%)
2020年
25歳未満:31.5%(-2.8%)
65歳以上:16.8%(+4.0%)
出典:米国勢調査局
人口構成比の大幅な変化は、1980年から1990年にかけても起きていた。1960年前後に誕生したベビーブーマー世代が1980年から1990年までのあいだに25歳を超えたため、1990年の国勢調査では、25歳未満の若年層が5ポイント以上も減少。一方で、ベビーブーマー世代よりも数の多い戦前世代(1925年以前生まれ)が退職年齢に達したことから、65歳以上は1.3ポイント増加した。
「最大の人口層」は、今もベビーブーマー世代
大部分の人が65歳を超えたベビーブーマー世代が今、米国の高齢化を進める大きな要因となっている。米国は、現在進行している人口構成比の変化に対処する用意ができていないと、専門家は警鐘を鳴らしてきた。とはいえ、他国とは違い、米国の人口構成比は変化し始めたばかりだ。米国の2020年調査では、65歳以上の割合は16.8%だったが、世界で最も高齢化が進む日本では同年の時点で28%を超えていた。イタリア、フィンランド、ギリシャ、ドイツも、高齢者の割合は22%以上となっている。
米国は、移民のおかげで高齢化に歯止めがかかっているが、高齢化が進んでいるのは間違いない。人口増加分のおよそ半分が移民で占められているほか、出生数は減少を辿っている。
米国で移民の割合が多いテキサスとカリフォルニアの2州は、人口の年齢層が最も低い部類に入る州でもある。年齢中央値はテキサスが35.1歳、カリフォルニアが37.1歳で、米国勢調査局が先月25日に発表した全米中央値の38.8歳を下回っている。
(forbes.com 原文)