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2023.06.07 17:30

Apple Vision Proが「常識を変える」これだけの理由、実機ハンズオン

Apple Vision Pro

テクノロジー業界を取材し始めておよそ28年。その同じ期間、テクノロジー製品、半導体技術、オーディオ、映像機器などから、家電やネットワークサービスなど、さまざまなジャンルで製品やサービスの評価を行ってきたが、まだ発売にまで至っていない試作製品に、これほどの感動を覚えたことは記憶にない。

アップルは「空間コンピュータ」と呼ぶ「Apple Vision Pro」を発表。日本円で約49万円という値付け。さらには来年北米から出荷を開始し、それ以外の各国では後半に発売される、まだ入手できるのはずっと先の製品である。

しかし、すでに製品の開発は進んでおり、アップル本社ではその実力の一端を体験することができた。そこで感じたのは、Vision Proが将来、新しいパーソナルコンピュータのジャンルを確立するだろうという確信だ。

ここまで読み始めた読者のうち何人かは、極めて高価なMeta Quest 3に過ぎないと思うかもしれない。確かに形やアプローチは近い。しかし、その体験レベルと可能性は大きく異なる。

現時点で筆者を「愚かなアップル信者」と感じる人もいるだろうが、来年になりVision Proを体験する人が増えてくれば、体験の質が根本的に異なることがわかるだろう。両者にはおよそ3000ドルもの価格差がある。そもそも目指してる場所が異なるというのが率直な感想だ。

過去最高の画質は「序章」にしか過ぎない

Vision Proのハードウェアに関する、いくつかのQ&Aは後半にまとめが、まずは従来のVR/ARゴーグルと何が異なるかについて説明することを試みたい。

Vision Proには最新のMacBook Airと同じM2プロセッサが搭載されている。業界トップのモバイルプロセッサと同等の処理能力がある。この製品単独で、高い処理能力が求められるアプリケーションも、余裕を持って動かせるということだ。

つまりメタバースに接続するためのインターフェースとなるデバイスではなく、Vision Pro自身がiPad ProやMacBook Airなどのパーソナルコンピュータと同じように使いこなせる道具なのだ。

その上でVision Proのディスプレイと音響システムは、これまでの常識を大きく変える品位を備えている。
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編集=安井克至

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