日曜日に当たってしまったら?
ブルゴーニュでは日曜日はほとんどのワイナリーやショップ、レストランがお休みとなる。それでも日程的に日曜日に当たってしまうこともあるだろう。筆者が到着した日も、ちょうど日曜日。町には人も少なくうら寂しい印象だったが、それでもめいっぱい楽しむことができた。大きなメゾンは日曜日も営業している蔵もあり、例えば老舗のBouchard-Aîné & Filsは「The 5 senses Tour」というテイスティングツアー(英語/仏語20€)を毎日開催している(オンラインから予約可能)。筆者もちょうど日曜日に、英語ツアーに参加した。内容はワイン初心者向けで、ワインの香りや味わいを五感で楽しめる工夫が随所に施されている。ほかにもPatriarche Pere et Filsやジュヴレ・シャンベルタンのPhilippe Leclercも日曜営業で、予約なしでも試飲が可能だ。
観光や買い物に充てるという手もある。ボーヌのオスピス・ド・ボーヌは、ブルゴーニュの歴史を知るにもぜひとも訪れたい観光名所で、日曜日も開いている。展示内容は見ごたえ十分で、日本語による解説テープも貸出可能だ。オスピス・ド・ボーヌの目の前にあるワインショップ「Athenaeum」も日曜日もオープンしており、ブルゴーニュ名物のディジョン・マスタードやワインも手に入る。
予定を詰め込もうとせず、のんびり過ごすのも良いだろう。午前中はブドウ畑をのんびりお散歩し、ゆったりランチを取るのもおすすめだ。ボーヌで日曜日に営業しているレストランもあり、Les PopiettesやLaCibouletteは人気が高い。
おすすめレストラン「マ・キュイジーヌ」
ブルゴーニュで美食を満喫したいなら、ボーヌの名店マ・キュイジーヌは外せない。観光客にはもちろん、地元民にも愛される連日満員の超人気店だ。ワインリストはさすがの充実ぶりで値付けも良心的なので、ワイン好きならリストをじっくり見るだけで楽しいだろう。グラスワインも豊富なので、一人客でも楽しめる。エスカルゴやコックオーヴァン、ブッフブルギニョンなどブルゴーニュの伝統料理が味わえるほか、もしメニューにあればぜひ頼んでほしいのが、季節のグリーンアスパラガス。アラミニッツで供される新鮮なアスパラは、それだけでメインになるほどの存在感がある。
何より感動したのが、居心地の良さ。今回ひとりで訪れた筆者も、スマホをいじることもなく、「孤独のグルメ」を堪能した。少し早めの19時に入店し、食事を終えると店内は満席。満ち足りた気持ちで店を後にしたのだった。
水上彩(みずかみ・あや)◎ワイン愛が高じて通信業界からワイン業界に転身。『日本ワイン紀行』ライターとして日本全国のワイナリーを取材するなど、ワイン専門誌や諸メディア等へ執筆。WOSA Japan(南アフリカワイン協会)のメディアマーケティング担当として、南アフリカワインのPRにも力を注ぐ。J.S.A認定ワインエキスパート。ワインの国際資格WSET最上位のLevel 4 Diploma取得。