食&酒

2023.06.10 15:00

ブドウ畑を疾走26km「自転車旅でブルゴーニュワイン探訪」の極意

自分の足で回れるサイクリング・ツアー

ブルゴーニュにはサイクリング・ロードも整備されており、自転車で回るのが実はとても楽しい。ボーヌで自転車を借りるなら、駅から徒歩約5分のBourgogne Randonnéesに行けば間違いない。英語の流ちょうな店主が、希望に沿ったおすすめのルートや立ち寄りスポットも教えてくれる。オン・シーズンは人気が高いので、メールによる事前予約をすると安心だ。

全方位パノラマに広がるブドウ畑の景色は、控えめにいっても最高だ。ブドウ畑を突っ切るようにサイクリング・ロードは進むので、ブドウの樹をすぐ近くで観察できるのも楽しい。ワイナリーやカフェに立ち寄るもよし、ランチを買って畑のそばでピクニックをするもよし、気ままにブルゴーニュの風を肌で感じることができる。

Route des Grand Crus(グランクリュ街道)の看板があるので、方向音痴でも安心

Route des Grand Crus(グランクリュ街道)の看板があるので、方向音痴でも安心


筆者はボーヌからピュリニー・モンラッシェまで、途中ワイナリーに立ち寄りながら、足を伸ばした。当初は手前のムルソーで引き返す計画が、あまりに楽しくて、つい「もう少し先まで」とペダルをこいでしまったのだ。全行程約26km、無事にスタート地点の貸自転車屋に着いたときは、かなりの達成感があった。

シュヴァリエ・モンラッシェの畑を発見!

シュヴァリエ・モンラッシェの畑を発見!

ワイナリー訪問のアポはどうする?

ブルゴーニュ訪問で最も頭を悩ませるのが、ワイナリーのアポ取りだろう。たいてい飛び込み訪問NG/一般開放をしていない蔵も多く、時間が限られているなら、事前の計画が必須になる。ワイン業界関係者でない一般愛好家がワイナリーを訪問するには、以下の方法が考えられるだろう。

・自力でアポを取る

最も難易度が高いのがこの方法。面識がある場合は直接やり取りをできるのでハードルは下がるが、そうでない場合は知り合いのツテを辿るか、輸入元に依頼するか、はたまた手紙やメールでアポ取りをすることになる。特に有名ドメーヌは世界中から訪問依頼が殺到するため、一見元で訪問予約を勝ち取るのはかなり難しいだろう。

聞くところによると、究極の愛好家のなかには、フランス語で自ら手紙をしたためようと、語学を勉強するところから始める人もいるらしい。いずれにせよ、日程が決まっている場合は、余裕を持ったアポ取りの準備が必要になる。

・既存のワイナリーツアーに申し込む

ボーヌやディジョン発の半日/1日のワイナリーツアーに申し込むというのも手軽な方法だ。有名畑を訪問できるツアーや、チーズ工場を訪れるツアーなど様々なテーマのグループツアーは、多数の旅行会社が運行している。観光案内所のサイトでも予約が可能で、価格も比較的リーズナブルであることが多い(ただし英語かフランス語)。簡単な説明と試飲付きで、雰囲気を感じたいという人には良い手段だろう。
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取材・文・写真=水上彩 編集=石井節子

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