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2023.06.07 10:30

ついにアップルがVR/AR市場に参戦、他社の競合製品を振り返る

アップルのヘッドセット端末「Vision Pro(ビジョン・プロ)」(Apple)

アップルのヘッドセット端末「Vision Pro(ビジョン・プロ)」(Apple)

米アップルは5日、3499ドル(約49万円)のヘッドセット端末「Vision Pro」を発表した。同社にとって、仮想現実(VR)/拡張現実(AR)分野(ただし、同社はこれを「空間コンピューティング」と呼んでいる)への初の本格参入となる。同分野ではこれまで、グーグルやマイクロソフト、メタなどが製品を投入しているが、その中には成功を収めたものもあれば、不発に終わったものもある。
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メタは2014年、ヘッドセットメーカーのOculus(オキュラス)買収によりVR/AR市場に進出。2021年には、インターネット上の仮想空間「メタバース」構築に向けた軸足転換の一環として、社名をフェイスブックからメタに変更した。

メタの「Quest 3」(Meta)

メタの「Quest 3」(Meta)


メタのヘッドセットは現在、比較的小規模な同市場の中で最大のシェアを獲得。販売台数は2000万台を超えていると報じられている。

今月には、主力モデルの最新機種となる「Meta Quest 3」を発表。技術面ではアップルのVision Proに及ばないものの、価格は大幅に低い499ドル(日本では7万4800円〜)だ。ただし、Quest 3はVision Proと違ってゲーム用途に重点を置いており、前モデルのQuest 2向けのアプリやゲームも利用できる。
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一方、昨年発売した1500ドル(同22万6800円〜)の上位モデル「Quest Pro」は不評を買い、売れ行きが低迷したことから、わずか4カ月で500ドル(同6万7300円)の値下げに至った。

大手テクノロジー企業で初めてAR分野に進出したのはグーグルだ。2012年に「Google Glass」を発表したが、発売はその1年後で、一部の人々のみに対して1500ドルで販売された。だが、その高価格と対応アプリの不足により、消費者の間では浸透せず、搭載カメラによる動画撮影機能をめぐる懸念から公共の場で使用が禁じられるなど、大きな反発も生んだ。

グーグルはその後、Glassを法人向けに刷新し、DHLやボーイングなどの施設での業務用に販売したが、それも長くは続かず、今年3月に生産を完全終了した。

マイクロソフトは2015年、Windows 10の発表会で、ARヘッドセット「HoloLens」を披露した。前方を向いたカメラを使用するアップルのVision Proとは異なり、透明なディスプレーに映像を投影する方式を採用。発表ではゲームやビデオ電話、テレビ視聴といった一般消費者向け機能も多く紹介されたが、主に開発者や業務向けで、価格は3000ドル(日本では33万3800円)だった。

マイクロソフトの初代「HoloLens」(Microsoft)マイクロソフトの初代「HoloLens」(Microsoft)

2019年には、3500ドル(同42万2180円)の「HoloLens 2」を発表。同製品は米軍により試験されているが、昨年にプロジェクト責任者がマイクロソフトを退社し、担当部門で組織再編が行われたことから、先行きは不透明となっている。

このほか、ソニーやHTC、Valve(バルブ)も独自のVRヘッドセットを発売しているが、その多くが主にゲーム用で、ゲーム機やPCに接続して使用する形式をとっている。

forbes.com 原文

翻訳・編集=遠藤宗生

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