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2023.06.09 08:30

人工ダイヤを真の高級品に、ダイヤモンドファウンドリーが市場を開拓

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最も大事なダイヤモンドの婚約指輪を購入する際に、人工(ラボグロウン)ダイヤを選ぶカップルが増えている。結婚プラニングサービスのThe Knot(ザ・ノット)が約1万2000組の婚約したカップルを対象に実施した調査結果に基づき、米紙ウォールストリート・ジャーナルは2022年に米国内のカップルの3分の1以上が人工ダイヤを選んだと報じた。

若いカップルが人工ダイヤを購入する割合は中年以上のカップルよりもはるかに高い。18〜34歳のカップルで37%であるのに対し、35歳以上では24%だ。

これは人工ダイヤが今後市場に浸透するばかりである傾向を示しており、ジュエリー分析会社のTenoris(テノリス)によると、今年初めには裸石状態のダイヤの販売個数の約半分に達したという。

採掘された天然ダイヤに代わる人工ダイヤの魅力は明確だ。予算に限りのあるカップルは同等の品質のものをより安価に購入することができ、ほとんどのカップルはまず人工ダイヤから検討を始める。

例えば、2カラットの人工ダイヤの平均小売価格は4700ドル(約65万円)以下で、1カラットの採掘ダイヤの価格より約30%安いと業界エキスパートでテノリスの代表であるエダン・ゴランは話す。

しかも、この人工ダイヤには大地から宝石を掘り出すことで生じる環境破壊がない。ダイヤモンド生産者協会とその加盟企業は、環境破壊を最小限にすべく取り組んでいるが、採掘は依然として破壊的なプロセスであることに変わりはない。

ローマ教皇フランシスコも、採掘は「土地からの富の剔出(てきしゅつ)であり、逆説的には貧しいままの地域住民に富をもたらさない」と述べ、ダイヤの採掘について警告している。そしてローマ教皇は人工ダイヤの米トップメーカーであるDiamond Foundry(ダイヤモンドファウンドリー)みよる代替案を提示する動きを賞賛している。

経済的に最もいい選択であることはいうに及ばず、消費者は人工ダイヤを社会的、そして環境的に責任ある選択だとますます認識するようになっている。

ローマ教皇と市場原理を味方につけたダイヤモンドファウンドリーには、人工ダイヤを真の高級品に育てるという次の課題に向けて前進するにあたって追い風が吹いている。
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翻訳=溝口慈子

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