北米

2023.06.07 11:15

LGBTQに対するアメリカ人の本音、各種調査で判明

プライド月間を祝福するレインボー・カラー・ディスプレイ。2020年6月24日、ワシントンDCのデュポン・サークルにて(Getty Images)

プライド月間を祝福するレインボー・カラー・ディスプレイ。2020年6月24日、ワシントンDCのデュポン・サークルにて(Getty Images)

6月はLGBTQの権利について啓発を促すプライド月間だが、LGBTQ米国人たちは、ジェンダー・アファメーション・ケアの禁止から教員によるLGBTQに関わる話題の制限まで、性自認(ジェンダー・アイデンティティ)を標的にしたアンチLGBTQ的制約の波に直面している。世論調査の結果によれば、米国人はLGBTQ権利支持に大きく寄っていて、差別に反対しているが、トランスジェンダー支持の問題は、右翼の攻撃が高まる中、依然として争いの種となっている。

同性間の関係に対する幅広い支持:2022年のGallup調査によると、米国人の71%がゲイとレズビアンを「道徳的に許される」関係であると答え「道徳に反する」と答えた人は25%だった。

同性婚への高い支持:大多数の米国人が同性婚を支持しており、2022年5月のGallup調査では史上最高の71%が支持し、2022年10月のPew Research調査では61%が支持した。

時間とともに大きく変化:同性婚の支持は、Gallupが1996年に調査を開始した時に法制化を支持したのはわずか24%だったが、2011年に初めて過半数が同性婚を支持し、2015年のオーバーグフェル対ホッジス裁判で最高裁判所が同性婚を合法と裁定した時には、60%まで上昇していた。

宗教的支援:ほとんどの層が同性婚を概ね支持している一方で、教会に毎週通う人たちは、同性婚支持に対する最大の抵抗勢力であり、2022年のGallup調査で同性婚を支持したのは40%だったが、Public Religion Research Institute(PRRI、公共宗教研究所)が2022年を通じて実施した調査では、宗教団体の中で同性婚支持が半数以下だったのはモルモン教徒で(50%が支持)、ラテンアメリカ系プロテスタント(43%)、白人福音派プロテスタント(38%)およびエホバの証人(19%)だけだった。

差別反対の支持:大部分の米国人は、職業、公共宿泊施設、住宅などの状況におけるLGBTQ差別を禁止する法律に賛成しており、PRRIの2022年調査によると、共和党員の66%を含め、米国人の80%がその種の法律を支持(2015年の71%から上昇)しており、すべての主要宗教団体で50%以上が支持していた。

事業者によるサービス拒否:ウェブデザイナーが同性婚のためのウェブサイトの提供を拒否できるかどうかについて最高裁判所が準備を進める中、PRRIの調査によると、米国人の65%は企業、店舗などの事業者にLGBTQ顧客に対するサービス拒否を許すことに反対しており(ただし共和党員の過半数57%は支持)、2022年12月のQuinnipiacの調査では、56%が事業者は同性カップルに対するサービスを拒否すべきでないと答えている。
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翻訳=高橋信夫

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