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2023.06.08 12:30

事業投資でも成功する総合商社 カギは「血の情報」にあり 

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スタートアップを中心にビジネスのトレンドを、メールで隔週お届けしている「Forbes JAPAN Newsletter」。本連載では、その内容をピックアップして紹介します。

今回は、スタートアップのCxOを歴任した植野大輔さんによる「大胆不敵なキャリア戦略」コーナーから、5月28日の配信記事を掲載します。


2022年度決算でも圧倒的な利益成長を達成し、またバフェットが投資したことでも大きく注目される総合商社。その持続的な高成長を支える要因の一つが「ブラッディインフォメーション」、文字通り血の情報です。

総合商社のことを「商流付き投資銀行」と呼んだ方がいて、言い得て妙だとうなりました。身銭を切って、血を流す覚悟で商流に入るからこそ、得られる情報があります。

どっぷり商流につかっていると、「A社の商材の品質が落ちた」「B社からの支払いが遅れている」「C社のエースがD社に転職して挨拶に来た」などの生々しい情報が日々飛び込んできます。これは、外部の投資アナリストが、どれだけ業界関係者にヒアリングを繰り返しても得られない血の情報です。

商社の真骨頂は、血の情報を使って、取引から利益を得るだけでなく、さらに大きなリスクをとって事業投資を仕掛け、巨額の収益リターンを狙いに行くことです。

インサイダー情報で上場企業の株式を買うことは、言うまでもなく違法です。しかし、これが未上場企業の株式ならどうでしょう? そう、未上場なら、一部の人しか知りえないインサイダー情報で投資判断することは、問題ありません。むしろ有益な投資機会を見出せるとも言えます。

皆さんの会社も、日々たくさんの取引をして、ときに痛い目にあって血を流しながら、さまざまな業界情報を得ていると思います。これを単なる噂話で終わらせるのではなく、大きな事業チャンスとして捉えてみると、「商流付き投資銀行」の未来が待っているかもしれません。


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文=植野大輔

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