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2023.06.06 11:15

アップルが待望の複合現実(MR)ヘッドセット「Vision Pro」発表

安井克至
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マイクロソフトは2016年に、ホロレンズ(Hololens)と呼ばれるARヘッドセットに大きな賭けをしたが、一般消費者の支持を得るには至らなかった。グーグルは10年以上前に、Google Glassを発表し、大きな注目を集めたが、カメラを搭載したこのデバイスはプライバシー侵害への懸念から怒りを買い、初期のユーザーは「glassholes(グラスをした間抜け野郎)」と呼ばれて嘲笑された。

アップルのビジョンは実現可能か?

アップルは、他社に先駆けて新たな製品カテゴリに参入したことがほとんどなく、他社にリードを許した後にライバルを圧倒する製品を開発してきた。アップルは、MP3プレイヤー、スマートフォン、タブレット、スマートウォッチで他社に先を越されたが、iPod、iPhone、iPad、Apple Watchはいずれもそのカテゴリを定義するデバイスとなった。

Apple Vision Pro(C)AppleApple Vision Pro(C)Apple

アップルは、直接顔に装着して日常的に使用することを人々に求めるより野心的なデバイスを発表したが、この目標は、資本力のある同社の競合たちが避けてきたものだ。現在のヘッドセットは、オーバーヒートしたり、重すぎて長時間装着できなかったり、額に汗をかいたりするなどの不満を持つ人が少なくない。

また、現実世界と切り離され、長い時間VRに浸るという体験が、あまりにも孤独であると感じる人もいる。クックは今年初めの、GQ誌のインタビューで、アップルのデバイスがコラボレーションを促進する可能性があると述べていた。しかし、職場で同様の効果を発揮するというマーク・ザッカーバーグの構想は、実現に至っていない。

アップルは、5日のイベントで他にもいくつかの発表を行い、18時間のバッテリー寿命を持つ新たな15インチのMacbook Airと、新たなM2プロセッシングチップ、さらにデスクトップウィジェットを備えた新たなMacオペレーティングシステムのSonomaを発表した。同社はまた、デバイスをベッドサイドの時計に変えるスタンバイモードや、電話をかけてきた人に見せる内容をカスタマイズできるコンタクトカードなどのiPhoneの新機能を紹介し、PDFの自動記入や録音の書き起こしなど、機械学習を活用した機能についてもいくつか言及した。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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