ヘルスケア

2023.06.06 12:30

400人にがんの可能性を誤通知 米グレイル、委託業者のミスで

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米バイオテクノロジー企業GRAIL(グレイル)が開発したがん検査を受けた患者400人余りに、がんの可能性があるとの通知が誤送信された。同社は「ソフトウエア設定の問題」によりテレヘルス(遠隔医療)の委託業者が誤った情報を送ってしまったと説明している。

英紙フィナンシャル・タイムズが社内資料に基づく情報として報じたところによると、がんを検出するグレイルの血液検査「Galleri(ギャラリ)」を利用した患者408人が、血液中にがんの存在を示す物質が見つかったとの誤った通知を受け取った。

同社はフォーブスに対し、この問題が起きたことを認め、テレヘルス業者PWNHealthでの「ソフトウエア設定の問題」が原因だったと説明。誤通知を受けた患者の半数以上が、検査のための採血をまだ受けていなかったという。

PWNHealthの広報担当者は、システムの設定ミスを特定・修正しており、今後同様の問題が起きないようにする対策も講じたと説明している。

広報担当者によると、グレイルは影響を受けた患者に対し、ただちに電話や電子メールで連絡し、通知は誤りであったことを伝えた。PWNHealthの広報担当者も、同社がグレイルと提携して36時間以内にソフトウエアの問題について患者に通知したと述べている。

フィナンシャル・タイムズによると、顧客が影響を受けた医療保険会社プリンシパルは、この問題を受けてグレイルとの関係見直しを表明している。

2016年創業のグレイルは、ベンチャーキャピタルから16億ドル(約2200億円)を調達し、黎明期の評価額は32億ドル(約4500億円)に到達。2020年には上場バイオテック企業のIllumina(イルミナ)に80億ドル(約1兆1000億円)で買収された。

「ギャラリ」は、血液検査により複数の種類のがんを早期に検出する製品で、価格は949ドル(約13万円)。専門家の間では当初、懐疑的な見方もあったが、追加のデータが公表されたことで、その潜在能力が認められるようになった。

forbes.com 原文

翻訳・編集=遠藤宗生

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