ロイターの報道によれば、北朝鮮の中国からの輸入額は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによる貿易関係の凍結が解除された結果、2022年を通じて増加傾向にあったが、2023年4月にはさらに急増した。
2023年4月、北朝鮮の中国からの輸入額は、22年同月比で69%増の1億6600万ドル(約232億5600万円)に達した。
こうした輸入品目の一部は、かつらやヘアピースの材料であり(完成した製品は、逆に中国に輸出される)、北朝鮮での刑務所労働が増加していることを示していると北朝鮮情勢の専門家は指摘する。北朝鮮は以前より、手間のかかる高価なかつらの製造プロセスを強制労働によって賄っていた。
2022年の貿易実績全体を見ると、中国は、北朝鮮への輸入額の99%、金額にして8億9400万ドル(約1252億4700万円)を占めている。
北朝鮮の輸入および輸出の国別内訳(2022年)
輸入額:9億320万ドル(約1265億1400万円)・中国:99.0%
・オランダ:0.3%
・インド:0.2%
・スリナム:0.2%
・香港:0.2%
・その他:0.2%
輸出額:1億9220万ドル(約269億2200万円)
・中国:69.6%
・ポーランド:5.2%
・オランダ:4.2%
・ルクセンブルク:3.4%
・モザンビーク:3.1%
・その他:14.6%
※出典:UN Comtrade
前述したとおり、中国は北朝鮮の輸入額で圧倒的大部分を占めるが、北朝鮮からの輸出先はもう少し多様だ。こちらも中国が最大の相手国であり、約70%を占めるものの、ヨーロッパのいくつかの国々も、北朝鮮から輸入を行っている。