衣料品の製造国偽装と武器取引
ポーランドとオランダは、北朝鮮と一定の外交関係を維持しており、貿易実績は象徴的なのものとみなすことができる。ただし、別のタイプのヨーロッパへの輸出品のなかには、問題視されているものもある。オランダのライデン大学は2019年、北朝鮮で搾取的労働状況下で製造された衣料品が、中国製と偽って、オランダやその他の欧米諸国に輸出されていることを示した。これは、北朝鮮が事実上唯一の経済的パートナーである中国と、強固かつ規制の緩い経済関係を築いている証拠の1つといえるだろう。
2022年にアフリカのモザンビークが、北朝鮮から変圧器やその他の機械類を輸入したのは公正な取引と見られるが、同国は2017年、国連制裁に違反して北朝鮮との武器取引を行った疑いで監査を受けた。
アフリカの少なくとも7カ国が、当時の監査の対象となった。北朝鮮との定常的な貿易関係それ自体は、経済制裁の対象とはなっておらず、近年アフリカ諸国の間で活発化しているとボイス・オブ・アメリカは伝えている。
全体として北朝鮮の貿易、とりわけ輸入は新型コロナウイルス感染症のパンデミック期間中に激減した。2017年以降、国際的な経済制裁が強化されて貿易が失速していたところに、さらに拍車がかかった形だ。
パンデミックの前段階で、北朝鮮経済はすでに深刻な打撃を被っていた。パンデミックにともなう通商停止により、食料や医薬品、その他の必需品の危機的な不足が生じたことから、2021年には複数国の外交使節が北朝鮮を退去している。
(forbes.com 原文)