テスラの株価は2日に3%上昇し、直近の1週間で16%上昇した。投資家は、テスラがフォードに充電ネットワークを開放したことや、マスクが中国を訪問して企業の幹部や政治家と会談したことを歓迎しており、同社の国内外での見通しを楽観している。
ウェドブッシュ証券のダン・アイブスは、テスラの売上の約5分の1を中国が占めていることから、マスクの中国訪問はテスラにとって極めて重要だと30日の顧客向けメモに書いていた。ゴールドマン・サックスのマーク・デラニーも、フォードとの提携がテスラにとってプラスになり、最大30億ドルの新たな収益をもたらすと述べていた。
テスラが2日につけた214ドルという株価は、2月中旬以来の高値で、マスクの保有資産も上昇した。フォーブスは、マスクの保有資産が約1カ月前から19%増加し、2070億ドル(約29兆円)に達したと試算している。彼は、昨年末に世界トップの富豪の座をLVMH会長のベルナール・アルノーに奪われたが、現状でマスクとアルノーの保有資産の差は130億ドルで、300億ドル以上の差があった3月から大幅に縮小した。
マスクの保有資産は現在、2023年の最高水準にあり、1月の1400億ドル弱の底値から約50%上昇している。しかし、2021年後半のピーク時の3200億ドルをまだ大きく下回っている。
テスラの株価は、2021年11月に史上最高値の414ドルをつけたが、今年1月には102ドルに沈んでいた。しかし、その後の2つの好調な四半期決算報告を受けて劇的に上昇した。マスクは、3月現在でテスラの約13%を所有しており、テスラ株は彼の資産の58%を占めている。
マスクは2021年9月にアマゾンのジェフ・ベゾスを抜いて初めて世界一の富豪となり、2022年にテスラの株価が暴落してアルノーにその座を譲るまで14カ月間、その地位にいた。彼は、2021年11月から2022年12月にかけて、400億ドル以上のテスラ株を売却し、そこから得た資金の大部分をツイッターの440億ドルでの買収に投じていた。
(forbes.com 原文)