米議会で暗号資産の「規制の明確化」目指す法案が発表

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暗号資産業界の先行きが懸念される中、米国の議員らがこの分野の企業に対する規制の明確化を目的とする「機能的な枠組み」の確立を提案した。

ブルームバーグは6月3日、2人の共和党議員が発表した法案が、共和党と民主党の間の、暗号資産関連の対話を促す試みだと伝えている。162ページにおよぶこの法案は、下院金融サービス委員会のパトリック・マクヘンリー委員長と、下院農業委員会のグレン・トンプソン委員長によって発表された。

米国の暗号資産関連の企業はここ数週間で、欧州議会で暗号資産市場規則(MiCA)と呼ばれる画期的な法案が承認されたことや、香港でも新たな規制が施行されたことを理由に、米国がこの分野で遅れをとっていると警告していた。

コインベースを含む大手の取引所は、特定の暗号資産が未登録証券に該当するかどうかを巡って規制当局と対立している。米証券取引委員会(SEC)は2020年12月、リップル社が総額13億ドルの暗号資産リップル(XRP)を販売したことが違法な証券募集にあたるとして、同社を提訴した。

今回提出された法案は、投資契約の一部として提供される暗号資産をSECの監督下に置き、商品として認められるものは米商品先物取引委員会(CFTC)の監督下に置くことを提案している。さらに、特定の暗号資産が証券に該当するか、商品と定義されるかは、SECの裁定で決定され、基礎となるブロックチェーンがどれだけ分散化されているかによって決まると述べている。

この法案は、6日に開催予定のデジタル資産の規制に関する下院農業委員会の公聴会を前に、業界の一部から称賛されている。

コインベースの最高法務責任者のポール・グレワルは、ツイッターの投稿で、この法案が「規制の管轄区域と定義の強固な基盤となる」と述べている。「このような規模の包括的な法案には綿密な検討が必要になるが、今のところ私たちが見ているものは心強い」と彼は続けた。

暗号資産に特化した調査企業メサーリ(Messari)の創業者のライアン・セルキスもツイッターで「これは、昨年の挫折の後にもたらされた勝利だ」と述べ「実行可能な法案にするためにはまだ多くの調整が必要だが、これは合理的な市場構造にするための良い出発点になる」と付け加えた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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