ブルームバーグが匿名筋の話として伝えたところによると、アマゾンはAT&T、T-Mobile(T-モバイル)、Verizon(ベライゾン)、Dish(ディッシュ)と卸値の値下げ交渉を行っており、話がまとまればプライム会員に月額10ドル(約1400円)という低価格の携帯プランが提供される可能性がある。
アマゾンはMVNO(仮想移動体通信事業者)と呼ばれる再販業者となり、独自の価格を設定することが可能になる。交渉は2カ月近く続いており、あと数回続く可能性があるという。この報道を受け、ベライゾン、T-モバイル、AT&Tの株価は2日の取引時間前に5~7%下落。一方、時価総額が他の3社よりかなり小さいディッシュは9%上昇した。
アマゾンは、プライム会員向けの追加特典は「常に検討している」としつつも、現時点では携帯サービスを追加する計画はないと説明。フォーブスは、通信大手4社にもコメントを求めている。
米携帯電話キャリアの「ビッグ3」として知られるベライゾン、T-モバイル、AT&Tは、月額60~65ドル(約8300~9000円)の間で無制限プランを提供している。連邦通信委員会(FCC)によると、携帯業界は一部の企業に大きく集中しており、これは価格操作につながる可能性がある。2020年にT-モバイルがSprint(スプリント)の買収を完了した際、業界はさらに縮小する恐れがあったが、FCCは公正な競争を維持するためにディッシュが同業界に参入することを条件に、買収を承認した。
ディッシュは、スプリントを追い越して国内第4位の携帯キャリアとなっており、2023年年初時点で800万人近くの利用者を抱え、独自の5Gネットワーク構築にも取り組んでいる。同社は現在、以前スプリント傘下にあったBoost Mobile(ブースト・モバイル)などの主要MVNOをいくつか運営し、月額25ドル(約3400円)からのプランを提供している。
(forbes.com 原文)