例えば、わたしが80年代の竹の子族のイメージを作りたいとします。ですが、Stable Diffusion や Midjourneyには竹の子族の情報はありません、なぜならばあまりにもニッチだからです。なので、私はウィキペディアから竹の子族の情報をコピペしてきて、まずChatGPTに竹の子族をStable Diffusionに理解させる方法を教えてもらいます。その後、グラムロックテイストをXX%入れて、着物をXX%減らしてとうようなチューニングをすることにより自分が想像するイメージを手に入れる事ができます。
このAI共同作業プロセスはまるで誰かと一緒に働いているような感じです。
ラスコーの洞窟壁画の文脈を未来につなぐ
ここで気になるのは既存のアート産業の方々の反応だ。そして、「AIアーティスト」は誰でもなれるものなのか?という私の中の疑問を彼女達にぶつけてみた。少し意地悪な質問をしているとは承知ではあったのだが、彼女達からはポジティブな返答が返ってきた。その時、私がハッとしたのは、周りの声を気にせず、まず自分が楽しいと思うことを愚直に追求していくことが新たな作品、新たなアートの流れを作っていく過去からのアートシーンの流れだ。マルセル・デュシャンはレディメイド品をアートを昇格させ、観るものがアートを作ると語った。彼女達の作品を評価する人たちが既にオークションハウス サザビーズにも、即日完売のブライトモーメントのイベントにも既に存在している。
また、クレア・シルバー氏が「ラスコーの洞窟壁画」を例に、かつては生活のために描かれていた壁画がいまでは美術館に飾られている事実を伝えてくれたときに、アートは現在だけを見るのではなく過去の流れや未来につなぐ視点も大事であることを感じた。そして何よりもAIアーティストに誰でもなれる時代に、既に行動しているかどうか?も大事だ。
クレア:私がAIアートを始めた2017年当初、AIアートはアートだとは思われていませんでした。ですが、徐々に考え方が変わってきています。なぜならばAIは私たちの人生のあらゆる部分を変えているからです。
私達の遠い祖先が洞窟で暮らしていた際に、生活やコミュニケーションのために描いていた壁画がいまでは美術館に飾られています。この「洞窟の壁画」と同じ用にAIアートは見られ始めています。歴史的な芸術価値があると考えられ始め、コレクターや美術館、MoMA(ニューヨーク近代美術館)などが、今ではAIアートを重要視し始めています。
そして、私は、誰もが内面にアーティストがいると信じています。ただ、今までは「スキル」が表現の障壁になってました。AIがスキルを補完し、誰でもアートを創れるように後押しします。そのことにより、みんなのセンスが良くなり、作品の質が向上していくことでしょう。今後さらにセンスが目立つ作品が増えてくると信じています。そのことがAIアートの質を高めていくと思います。