アロゲッティは現在、オルタナティブ資産運用会社のアレス・マネジメントのCEOを務めている。同社は、ウォール街で最も成功した企業の1つに数えられるが、同業者とは異なり、着実に利益を積み上げていく姿勢で知られている。
ロサンゼルスに本社を置くアレスの運用資産は、過去5年間で3倍以上に伸びて3520億ドル(約49兆円)に達しており、そのうち2140億ドルを、世界中の信用リスクが高い非上場企業に対して直接融資を行う「プライベートクレジット・ファンド」に用いている。KKRのような会社は、巨大なリターンを狙う大胆な株式投資で知られるが、アレスのアップサイドの大半は、ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)などのベンチマークに固定された利息に限られている。同社の顧客の大半を占める、年金基金や保険会社など、約2000社の機関投資家にとってはそれで十分なのだ。
「人々は耐久性のある利回りに引き寄せられる。私たちは、複合利回りの価値を早くから説いてきた」とアロゲッティはいう。
アレスは、フォーブスが2月に発表した第1回の「金融オールスターズ(Financial All-Stars)」リストの注目企業だ。KBWのアナリストが銀行、保険、資本市場、消費者金融、住宅ローン、フィンテック、事業開発の7分野から50社を選出したこのリストに掲載された企業は、過去5年間のリターンが高く、負債比率や収益成長率などの指標で際立っている。アレスの2022年9月までの5年間の累積総リターンは316%で、このリスト中の1位だった。
他の成功した資産運用会社と同様に、アレスは複数のビリオネアを生み出した。アロゲッティと共同創業者のベネット・ローゼンタール、デビッド・カプランの保有資産は、すべて10億ドルを超えている。アレスの執行会長で、NBAのアトランタ・ホークスの過半数オーナーであるアントニー・レスラーの保有資産は66億ドルと推定される。