働き方

2023.06.02

パンデミックで燃え尽きた医療専門職者、米国で「単発労働」が増加

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新型コロナウイルス感染症のパンデミックによる燃え尽き症候群(バーンアウト)の影響もあり、米国では医療専門職の人が単発で働くようになってきている。

理学療法士や作業療法士から臨床検査技師、放射線技師に至るまで、1100人以上の「医療専門職者」を対象に行われた新たな調査によると、4人に3人近くが燃え尽き症候群のためにキャリア初期に単発労働者になっていることが明らかになった。

「多くの医療専門職の人が単発労働する大きな理由は燃え尽き症候群だ」と米最大の医療人材派遣会社の1つであるAMN Healthcare(AMNヘルスケア)の報告書にはある。「単発労働者の大多数(74%)は単発で働くという決断に燃え尽き症候群が『大いに』『かなり』『まあまあ』影響を与えたと答え、26%が決断に燃え尽き症候群はほとんど影響を及さなかったと答えた」としている。

一方、調査対象者の約45%が、新型コロナが単発で働くという決断に「大いに」「かなり」「まあまあ」影響を与えたと回答した。

この調査結果は医療従事者の考えを示すものだ。医師や看護師、そして今回調査対象となった医療専門職者に対する需要は常に大きく、全般的に人手が不足している。

「燃え尽き症候群とパンデミックは、医療業界における労働のあり方を変えている」と、AMNヘルスケアの医療専門職派遣部門のトップであるロビン・ジョンソンは指摘する。「従来と異なる働き方を求める医師、医療専門職者、看護師はますます増えており、その多くが単発で働くことを選択している」という。

確かに、今回の調査では70%の人が「単発で働く方が正規雇用よりも満足度が高い」と答えており、医療専門職者の単発労働が新しい常態になる可能性がある。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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