宇宙

2023.06.02 13:00

6月の天体観測ガイド 惑星と星団の接近、天の川、夏至の星空

いて座の中に見える天の川。カナダ・サスカチュワン州グラスランド国立公園フレンチリバーにて(Alan Dyer/VWPics/Universal Images Group via Getty Images)

6月は北半球での天体観測に注意が必要だ。後半に夏至(一年で昼が一番長い日)があり、特に北の高緯度では暗闇が続く時間があまりない。しかし、入念な計画と、夜更かし(あるいは早起き)によって、肉眼でもすばらしい星景を見ることができるだろう。

以下に、2023年6月の天体観測について知っておくべきことを記す。(訳注:日時はいずれも日本時間)

1. 火星がプレセペ星団の中に

2023年6月2日(金曜日)

春から夏にかけて双眼鏡で見られる最高の光景の1つが、プレセペ星団だ。「蜂の巣星団」や「M44」とも呼ばれるこの散開星団は、約520光年離れたかに座の中にあり、双眼鏡があれば明るく青い星を12個ほど見ることができる。

2023年6月2日には、火星がこの星団に仲間入りする。2022年12月に起きた火星の「衝」(惑星が地球から見て太陽の反対側に位置する状態)の時ほどではないが、青い星々に囲まれたこの赤い惑星を撮影するために、天体写真家たちが大挙することだろう。

プレセペ星団と火星の接近は5月下旬から6月上旬にかけて起こり、最接近は6月2日ごろだ。

2. 「ストロベリームーン」の月の出

2023年6月4日(日曜日)

北半球の春で3回目、最後の満月となる「ストロベリームーン」は、6月4日の日没後、オレンジ色に染まった東の地平線に、その鮮やかな姿を見せる。北半球では一年を通じて最も低い位置に浮かぶ満月であり、それは最も高い位置にある太陽の反対に位置しているからだ。ストロベリームーンのすぐ近くには、夏の星座であるさそり座で一番明るい星「アンタレス」が見えるはずだ。

3. 金星がプレセペ星団に接近

2023年6月13日(火曜日)

火星がプレセペ星団の中に現れてからわずか数週間後、今度は金星の番となる。火星は今の明るさがプレセペ星団と同等だが、明るい(ただし長くは続かない)「宵の明星」である金星は、肉眼でもよく見える。

ただ、プレセペ星団の青い星々の美しさを捉えるには、双眼鏡を使うとよい。火星とプレセペ星団ほど接近はしないが、その明るさゆえ、肉眼にはより印象的だろう。

4. 天の川のアーチ

2023年6月10~20日

夏は北半球で天の川を見るのに一番良い時だが、条件が完璧でなければならない。非常に暗い空が必要なため、都会の光からできるだけ離れなければならない。絶好のタイミングは、6月18日の新月の前後数日間だ。ただし、夜更かしする必要がある。十分暗くなるのは深夜0時以降だ。

5. 夏至に見る金星と三日月

2023年6月21日(水曜日)

一年で昼が最も長く、夜が最も短くなる夏至には、北半球全体で夜が短くなり、北の高緯度地域では夜がまったくなくなる。しかし、この日の日没直後に西の空を見ると、輝面比9.6%の美しい三日月が、明るい金星のそばに見えるだろう。月の暗くなっている側には、地球に反射した太陽光が月を照らす「地球照」が見える。両天体のすぐそばには火星がある。

(訳注:住んでいる場所の日の出/日の入り、月の出/月の入りの正確な時刻は、気象庁のウェブこちらを参照してほしい)

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫・編集=遠藤宗生

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