女優・伊藤沙莉の原点にある「家族の愛と母の教え」

俳優 伊藤沙莉

すっかり世間に浸透したSDGsという言葉。しかし、どれほどの人がその言葉の意味や内容を、理解し実践できているのか……。

SDGs=持続可能な開発目標。それは決して、国や企業だけが目指すゴールではない。いま、この星に生きる私たち一人ひとりが、たとえ「ちいさく」ても、できることを「ちょっとずつ」実行することが、求められている。

2021年末にスタートした「sdgs_media_japan」では、個人的で身近なSDGsを伝え、広めるために「いっしょに学ぼうSDGs!」と題し、発信力の高い俳優やタレントを、毎月一人ずつ紹介。日常生活のなか「自分たちの未来に共感」できるような、「ちいさくて」「ちょっとした」SDGsアクションを伝えている。


「SDGs、難しいですよね。一人ひとりが、いったいどこまでのことができるのか。いろんな出来事が起こるたびに、私はいつも、自分の無力さを密かに嘆いたり、そんな瞬間もあります」

数々の話題作、ヒット作への出演が続き、大きな賞も獲得するなど、大活躍中の俳優は、こう正直に打ち明けるのだった。

伊藤沙莉、29歳。千葉県出身。2003年、わずか9歳でドラマ『14ヶ月~妻が子供に還っていく~』に子役としてデビュー。以降、NHK連続テレビ小説『ひよっこ』や、ドラマ『全裸監督』、映画『獣道』、テレビアニメ『映像研には手を出すな!』(主人公の声)など、話題作に数多く出演してきた。シリアスも、コメディもこなす演技力は高い評価を得ている。

6月30日公開の映画『探偵マリコの生涯で一番悲惨な日』では、主役のマリコを演じている。

「一見、いたって普通のバーテンダーというか。それと並行して探偵をやっている女性です。ただ、子どものころに、ちょっと悲惨な出来事があって。強く生きているけど、どこか脆い感じのする女の子という役どころです」

映画は新宿・歌舞伎町が舞台。マリコの働くバーには、多くの個性豊かな客が集う。伊藤曰く、「すごく濃い人たちの集まりで、どこをとっても面白い」作品だ。

「マリコ自身の物語が軸になってはいますけど、お店に来るお客さんたちのストーリーがそれぞれ面白くて。いろんな人生の物語が、まるでノンフィクションのように、歌舞伎町というディープな街を舞台に繰り広げられて、映画を見ると、自分の人生や他人の人生を振り返ることもできると思います。『あ、なんか苦しいのって自分だけじゃないんだ』とか、『そっか、こういう人生もあるんだな』と。

もちろん、ライトな気持ちで楽しくご覧いただきたいのですが、衝撃的なシーンもたくさんあるので。ただ楽しいだけではないなにかが届く、そんな映画になったと思っています」
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文=仲本剛 写真=秋倉康介 撮影場所=ITOCHU SDGs STUDIO

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