こうした太陽系外惑星は、赤色矮星(わいせい)を周回している。赤色矮星は、太陽より小さく冷たい恒星で、天の川銀河にある2000億個の恒星の75%以上を占める。
米フロリダ大学の研究チームによる論文は5月30日、米科学アカデミー紀要(PNAS)に発表された。研究チームは、米航空宇宙局(NASA)の探査機ケプラーが2009年から2018年にかけて集めた150個の太陽系外惑星に関するデータを分析した。ケプラーが発見した太陽系外惑星は2600個以上あり、その多くは夜空の小さな領域内にある。
研究では、天の川銀河の数十億個の恒星との距離を測定するガイア宇宙望遠鏡のデータも使用した。
ハビタブルゾーン
赤色矮星は天の川銀河に遍在しているが、その周辺環境は太陽系と大きく異なっている。赤色矮星は光と熱の放出が少ないため、惑星が凍結することも灼熱地獄になることもなく温暖でいられる「ハビタブルゾーン(生命居住可能領域)」が恒星の非常に近くにある。惑星が温暖であることは、生命が存在する必須条件であると考えられている。このゾーンにある惑星は、地球の生命にとって不可欠な液体の水を地表に擁している可能性がある。
恒星のごく近くを周回する惑星は、フレアの影響を受けたり、潮力が引き起こす摩擦で加熱されたりして、生命の形成が阻まれる可能性が高まる。これは、惑星が1つだけ存在する恒星に当てはまることを研究チームは発見した。
有望な候補惑星
論文によると、これにより赤色矮星を周回する惑星の3分の2が除外され、残りの3分の1が太陽系以外での生命兆候探査において有望な候補となる可能性がある。生命が存在する可能性のある惑星の多くが、複数の惑星をもつ恒星を周回していることをチームは発見した。それらの惑星はまた、離心軌道ではなく、恒星との距離が一定な円軌道を周回していた。
研究を率いたフロリダ大学の大学院生Sheila Sagearは「これらの恒星には注目が集まっており、今回の研究結果は今後10年間の太陽系外惑星の研究にとって極めて重要だ」と指摘。「水が液体で存在し、生命が存在する可能性のある小さな惑星を探す上で、これらの恒星は理想的なターゲットだ」と述べている。
(forbes.com 原文)