誰もが大事な「自分の居場所」 自宅以外にもある人ほど高い幸福感

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自分の居場所を聞かれたら、あなたはどこを思い浮かべるだろうか。アメリカの都市社会学者レイ・オルデンバーグは、自宅でも職場でもない、居心地のいい「第三の場所」、サードプレイスを持つことが、人生のあらゆる方面にいい効果をもたらすと伝えた。居場所の有無は、人の幸せに影響を与える。

博報堂DYホールディングス傘下のソーシャルビジネススタジオ、SIGNINGは2022年11月、読売広告社、環境計画研究所とともに、時代とともに変化する生活者の居場所の在り方について、全国に住む16歳から89歳の男女を対象に調査を実施した(3400サンプル)。

まず、それぞれの居場所の意味を尋ねると、年齢性別問わず、「一人きりになれる場」「落ち着ける場」「自由になれる場」「仲間との場」「誰かに求められる場」など、人それぞれ異なる結果に。

居場所の必要性については、10代〜80代の男女のうち約90%以上が「居場所を必要」だと考えており、性別で見ると女性で9割を超え、男性(8割超)を上回る結果に。女性の方が居場所の必要性を感じている割合が高いことが分かった。

また、いくつの居場所を持っているかについては、平均で2.64カ所。最多の回答は「1カ所」で34%、それに「2カ所」(19%)が続き、合わせて半数超(53%)を占めた。一方で「居場所がない」と答えた人も7%存在し、「決して数を持つほど良いというわけではないが、居場所の選択肢が狭い傾向が見られる」という分析に。

さらに、居場所が「自宅のみ」だと答えた層と、「自宅+自宅以外」にあると答えた層、「自宅以外のみ」だと答えた層に分けて幸福度を調べてみると、うち自分の居場所が「自宅+自宅以外」にあると答えた層で幸福度の平均点が最も高く、7.2点。70%以上が、10点満点中7点以上をつける結果に。次いで「自宅のみ」だと答えた層(6.9点)、「自宅以外のみ」だと答えた層(6.1点)の順となった。

居場所に求める感情としては、最多が「リラックスできる」(59%)、続いて「素でいられる」(51.7%)、「安心感を感じられる」(49.4%)となり、3社は「自分だけで完結できる感情だけでなく、他社がいてこそ成り立つ感情も含めて、多くの感情を満たせることを居場所に求めている」と分析した。

自らの居場所は、リアルの場には限らない。ネットワークが発達した現在だからこそ、自宅以外で自分の居場所をオンライン上にも積極的に広げて、幸福度を高められるように取り組むのも、方法の一つだろう。

プレスリリース

文 = 大柏真佑実

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