政治

2023.06.01

テキサス州議会が公立大学の多様性プログラム禁止を可決

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フロリダ州のロン・デサンティス知事が同様の法案に署名した数週間後、テキサス州の議員たちは公立大学での多様性、公平性、包摂性(DEI)の取り組みを禁止する法案を共和党のグレッグ・アボット知事に提出した。

この法案は、テキサス州の大学にDEIオフィスとプログラムおよび強制的な多様性トレーニングを廃止させようとするもので、法案本文によれば、すべての雇用を「人種や性によらない」ことを求めている。

コンプライアンスを強制するために、法案は大学が2023-2024年度の春学期から施行される新法に準拠していることを証明する報告書を提出するまで、州予算を使用できないとしている。

法案の前のものでは、現在のDEIオフィススタッフを新しい同程度の給与のポジションに再配置することを大学に要求しようとしていたが、テキサス州議会終了前に法案を通すために、その要求は削除され、大学は離職した従業員に推薦状を提供できるとする法案に変更された。

テキサス州議会は5月29日に会期末を迎えるが、アボットは6月18日までに法案に署名する必要がある。アボットは、週末に法案が提出されて以来、この法案についてコメントしていないが、過去には、連邦および州の雇用法に違反することを懸念し、雇用において多様性、公平性、包括性の方針を用いないよう、彼のチーフスタッフが指示している。

大統領候補でフロリダ州知事のデサンティスは、5月初めに同様の法案に署名し、公立大学がDEIプログラムに資金を提供することを阻止しただけではなく、その法案で大学の教室において人種について議論する方法を制限した。この動きは、共和党が主導するいくつかの州で、人種やセクシュアリティなどの話題の取り上げ方を制限しようとする最近の取り組みに続くものだ。

フロリダ州の法案に署名した際、デサンティスはDEIは「私たちの公的機関に居場所がなく」「ニッチなテーマ」について学びたい学生は「フロリダはそのゲームから手を引く」ので、他の場所で学べばよいと述べた。教室での批判的人種理論などを制限する他の多くの法律とともに、デサンティスがこの法律に署名した後、全米有色人種地位向上協会は「デサンティスが黒人の歴史を消し去ろうとし、フロリダの学校での多様性、公平性、包摂プログラムを制限しようとする攻撃的な試み」に反応してフロリダへの旅行勧告を発した。

フロリダの法案とは異なり、テキサスの法案は、学問的なカリキュラムや提供できるものに影響を与えるものではなく、また、入学手続きや学生団体の運営、教員の研究にも影響を与えるものではない。法案の提出以来、この法案は州内の多くの教員や学生から反対されているが、テキサス・トリビューンは、大学の指導者はこの法案の潜在的な影響について沈黙を守っていると報じている。

テキサス州の大学生で構成される「Texas Students for DEI」というグループは、テキサス・トリビューンに寄せた声明の中で、この決定を下した議員たちは「DEIの役割を根本的に誤解している」と述べ「DEIは、背景を問わずすべての学生のためにオープンで支援的な環境を作り、維持することに専念している」と主張した。

forbes.com 原文

翻訳=上西雄太

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