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2023.06.02

2023年は大麻取締法改正の歴史的な年 今後の展望やいかに?

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2023年、今年は大麻取締法改正が行われるかもしれない歴史的な年です。今回は、法改正のポイントと課題、今後の展望について書かせていただきます。

大麻取締法がなぜ改正されるのか、具体的にどのような形で改正されるのかについては過去の私の過去の記事を参照していただきたいですが、簡単に述べますと、(1)医療を目的とした大麻成分医薬品の承認と、(2)伝統的な大麻栽培の拡大、(3)大麻使用罪の創設を目的として改正が行われる見込みです。

大麻取締法改正は現実的なのか

1月12日、日刊薬業は「『大麻由来医薬品』対応法案、提出見送りの公算」と題し、今国会での法案見送りの公算を記事にしていました。

他方、1月25日付の読売新聞は「大麻から薬 活用可に」という見出しで記事を出しました。「大麻取締法改正案の今国会提出を目指しており、その改正案の概要が明らかになった」と記述されています。ちなみに、概要書などは現時点でオープンにはされていません。この2つのニュースを見ると情報が錯綜しているように見えます。

一部の識者からは「見送りの公算が高い」と言う方もいます。実際に今通常国会では事前に議論される法案一覧には大麻取締法改正案は載っていませんでした。

国会対策委員会の決定によって閉会ギリギリになって法案が提出されるケースもこれまでもありましたが、よっぽど国民の注目度が高いなどがない限り望み薄だと思います。

仮に今通常国会にて提出ができなかったとしても、今秋に臨時国会が開催されれば、そこで提出の可能性はあります。いずれにしても、今年中の提出が期待されます。

一方で、法改正案に具体的な内容をどれほど組み込むべきなのかについては、まだ改正案を見たわけではないのでわかりませんが、法改正と共に補完すべき箇所(例えばCBDの製品に関する規定など)については省令やガイドラインで補完していくものとみられています。

主な改正内容は上記に書いた通りで、医療用大麻製剤を法的に認めること、これまでの部位規制を撤廃し、成分による規制を行うこと、伝統的な大麻栽培の規制緩和を盛り込んでいると思われます。国会の情勢、内閣の方針、大臣のプッシュなど色々な政治力学によって今国会成立はどうなるかまだまだわからない状態にあります。
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